2018.02.01

■ホワイト・ラビット 伊坂幸太郎 新潮社

久々の伊坂幸太郎。

誘拐監禁、取り違え、泥棒・・・ちょっと暴力 うんちく など伊坂ワールドの集大成的なものかもしれません。
作家もそんなつもりで書いたようだけど。

何だかちょっと無理矢理感にあふれ、もうひとつ楽しめなかった。

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2018.01.30

■ノーラ・ウェブスター コルム・トビーン 新潮社クレストブック

2年前に読んだ「ブルックリン」は本当によい作品だった。映画もよかったし。

コルム・トビーンなら
きっと面白いに違いないと手にした「ブラックウォーター灯台」。うーん。読んでいて辛かった。

そしてこの小説…。「ブルックリン」の主人公が生まれ育ったアイルランドのエニスコーシーが舞台。というか、作者もここの出身で作者の母をモデルとして自伝的作品ということなのだけど。


日常を細やかに描写し、ドラマチックなことはあまり起こらず、個々のエピソードが淡々と語られるという
「ブルックリン」で長所と思っていたことが、すべて裏目に出ている感じ。

読んでて、ずっとイライラしていたのだった。

ノーラさんは結婚して20年くらい。夫に先立たれ、喪失感を味わいながらも立ち直っていく3年間を描いている。
子どもは大学に通う娘2人と、小学生の男の子2人。

ブルックリンの主人公は真面目で真っ直ぐな性格の若い女の子だけど、性格はノーラと似たかなりの頑固者であった。でも若い分なのか? 新しい土地で新しい人や知識を受け入れていく素直さもある。

でもノーラはなあ。なんか意固地で頑ななんだよ。
小説中で知人が「あなたには品位がある」とノーラを褒める部分があるのだけど、そうかな。ただの頑固だと思うし、基本的に心がせまいよ。

昔働いていた会社に復帰するのだけど、元同僚でそのまま会社に残り現在はノーラの上司となる女性。小説中で嫌なやつのように書いてあるけど、確かに問題点もあるけど、ノーラ自身、彼女にかなりひどい態度をとっているので共感できない。そこまでされるような人ではない気がする。
そして会社のオーナーの娘。頭は悪くないようだけど、朝からずっと私用電話をかけまくっている描写が何度も出てくる。本人もノーラも悪いと思っていない点も理解できない。 

あと、労働組合問題、IRA関係で娘が活動家なのか?といった問題、色々エピソードがあるけどみんな何だか中途半端なのも気持ちが悪い。

ノーラの二人の息子の教育についても、ノーラの妹夫婦の方が息子たちのこと(娘たちのことも)よくわかっているように思えるし。

一体ノーラのどこがいいのか?  正直言って、わたしはノーラとあまりお友達になりたいと思わないなあ。

コルムさん・・・・。しばらく読む気になれない。


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2017.12.31

■となりのセレブたち 篠田節子 新潮社

・トマトマジック
・蒼猫のいる家
・ヒーラー
・人格再編
・クラウディア

篠田さんはかなり傾向の違う作品を書かれるけれど、どれも独特の篠田さんしか書けないストーリー。
女同士の日常の確執とか、災厄小説とか、音楽をテーマにしたもの、そして最近は介護など。

ヒーラーが一番面白くて、どんどん吹き流しという得体の知れない生き物が若返りの妙薬として人気になり、その結果人々が無気力になり、社会活力が失われていく様をコミカルに描き、最後は気象変化でその生物がいなくなってしまうまでをシニカルに語り尽くす。らしいなあ〜! と思わず笑ってしまう。

人格再編は最近篠田さん自身も母の介護をしていると知ったけれど子供と親の関係を「介護」を通して描く。
介護まっただなかの私にはつらいような、でも希望のような話しだった。

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2017.12.12

■画狂其一 梓澤要 NHK出版

よいものを読んだという思いです。
梓澤要さんという作家、初読みでしたが、よく書いてくださった。感謝です。

姫路のお殿様の弟で画家だった酒井抱一のことは、うっすら知っていたので興味を持って読み始めました。
ただ大名の余技だと思っていたのですが、江戸琳派の始祖だったのですね。
そして弟子の鈴木其一。二人の師弟関係とそれぞれの絵に対する想い、画風の違いなど年代を追って割合と
たんたんと描かれているのだけど、とても素晴らしい。
よい絵を描きたいという想いに突き動かされる絵師の執念を描ききってる感がありました。

作品の描写が丹念で細やかで、どんな絵かとネットで調べて見ると、いやむしろ小説の描写の方がすごくない?とか思ったり。(もちろん実物の絵はもっとスゴイのだろうけど)

一見順風満帆に見える其一の画家として人生も、そこにさまざまな葛藤があり、そのことでさらに高みを目指していくさまが心打たれる。

師匠酒井抱一とその友人の谷文晁、北斎や広重も登場します。七代目海老蔵、姫路に旅して河合寸翁との出合い、最期に登場する大物井伊直弼など、江戸の有名人もたくさん登場するのでなんだかワクワク。それにくわえて
江戸の大店のお婆様、自宅の隣に住む庄屋のおじいさんなど市井の人が語るエピソードも印象深く、時々涙してしまった。

其一の最大傑作「朝顔図屏風」これは一度本物を見てみたいなあ。

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2017.11.20

■果鋭  黒川博行 幻冬舎

堀やんと誠やんの元マル暴刑事のコンビが、パチンコ業界の闇を暴く。 
暴くといっても、正義感だけではなく、きっちりお金も要求するところがこのコンビらしいのでしょうか?

読んでる時はなかなか面白かったけど、シリーズで読みたいとかそんな感じはない。
とにかく大阪近辺が舞台になっているので、親しみやすくはありました。


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2017.10.02

■ブラックウォーター灯台 コルム・トビーン 

「ブルックリン」がよかったので、読んでみた。

父の死を巡って確執のある母娘。娘は結婚も知らせず、孫にも合わせず、もう何年も顔を合わしていない二人。
しかし、弟が病気であると知らされた二人は、弟と弟の友人と共に、祖母の家に集まる。

出てくる母・娘・祖母みんななんだかお互いに意固地で、3人の会話を読んでいると胸が苦しくなります。

まあ、最後は和解するんだけど、全体にちょっとつらかった。

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2017.09.26

■湖畔荘 上下 ケイト・モートン

前回の「秘密」も面白かったけど、今回の湖畔荘は、今までで一番面白い。傑作と言ってもいいかも。

いつもの過去と現在が入り乱れたケイト・モートンならではの構成で、始めは少々わかりづらいけれど
下巻になると、もう夢中です。
女刑事が仕事の失敗で休暇を取らされ、コーンウォールの祖父の家に出かけたところから始まる。
ジョギング途中で見つけた「湖畔荘」という屋敷を見つけるが、70年も前に放棄されたという。
当時、屋敷の1歳になる息子が行方不明となり、家族は家を離れたのだという。

女刑事はその行方不明事件を調べ始めると、湖畔荘の一族の一人が有名な推理作家になっていることがわかる。

女刑事セイディ、湖畔荘の行方不明の男の子の3人の姉のうち一人であるアリス、湖畔荘の女主人であり、アリスの母エリナ(故人)。
過去と現在が行き来し、重層的に語られ、こちらの憶測を次の章で裏切っていく構成に翻弄されながらも面白くて仕方がない。

そして最後の最後。おおお。こう来たのか。 偶然か、必然か、ご都合主義か?
いやいや、でもちょっと感動。少し泣いた。

それにしても、どれもとても面白いのに「映画化」とかいう話しを聞かないのは、複雑すぎて映画化できないから?
時代設定はゴージャスでとても美しくなりそうなんだけどな。

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2017.06.02

スイングしなけりゃ始まらない 佐藤亜紀 角川書店

1940年代ドイツ。ナチス政権下で、ジャズに熱狂する悪ガキたちがいた。

なんて、本当なのか?
実はスイング・ユーゲントなんてのがあったらしい。

それを踏まえての佐藤亜紀の小説は、戦時下でじわじわと抑圧される日常の描き方が、ブルジョワ青年の目でクールに語られる。
主人公のエディは自分じゃ演奏するわけではないけれど、ジャズに夢中になっているひとり。こんな体制化でなければヤンチャな悪ガキでしかなかったけれど、ただ好きな音楽を楽しみたいその気持が「反逆」となって現れる。

それぞれの章にジャズのタイトルがつけられている。
アラバマ・ソングの訳詞がよかった。


両親の死の描写ががなかなか秀逸。

全体に痛快であった。

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2017.02.02

■ギケイキ 町田康 文藝春秋

ひゃ、ははあ。

久々に町田康 読むのが止まらない。

ギケイキ=義経記なの。

なんと、全4巻とは。
弁慶も登場し、次が待ち遠しい。

あーおほほ。

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2016.12.16

■ミスターメルセデス 上下  スティーブン・キング   文藝春秋

犯人の頭が悪すぎて。

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