2004.01.03

2003年読書のまとめ

2003年に読んだのは年末駆け込みで読み終えた伊坂の「アヒルと鴨のコインロッカー」を含めて99冊でした。
昨年はといえばわたくし的に(一般的にもか?)「伊坂幸太郎フェア」な一年でありました。
やはり「オーデュボンの祈り」を読んだ時の印象が強烈で、多分「ラッシュライフ」がピーク。個人的にはどんどんテンションが下がっていったのがちょっと残念なのですが。

そんなわけの2003年個人的ベスト10
●ティモレオン ダン・ローズ
●オーデュボンの祈り 伊坂幸太郎
●ラッシュライフ 伊坂幸太郎
●終戦のローレライ 福井晴敏
●ぬかるんでから 佐藤哲也 
●夏化粧 池上永一
●ぶらんこ乗り いしいしんじ
●GOTH 乙一
●シティー・オブ・ボーンズ マイクル・コナリー
●贖罪 イアン・マキューアン

大体、読んだ時の「衝撃」みたいなものを重視する傾向がありますねえ。今年ダントツでびっくりしたのは「ティモレオン」であったということですね。(笑)
伊坂に関しては旧作2作。新作2作はまあまあ・・・。という感じで。
あと、佐藤哲也さんの作品が今まで読んだことない体験だったかなという気もします。

それから久々のマキャモン「魔女は夜ささやく」もいい作品だったとは思うのですが、やっぱり求めていたマキャモンではなかったということで自分的には期待外れだったです。

一応2003年の簡単なまとめをしましたが、こちらのReading Diaryの更新はこれで最後。
2004年からは「ココログ」に、読書・映画などの感想を書いていくことにします。

ココログはこちら↓
http://purplefield.cocolog-nifty.com

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2003.12.31

アヒルと鴨のコインロッカー 伊坂幸太郎 東京創元社

うーん。うーん。感想が書きにくいよぉぉ。
現在と2年前の出来事が交互に語られ、後半にそれぞれの物語がシンクロしていく。ラッシュライフとはまた違ったそれぞれの人々にはそれぞれの物語があるという感じなのだが。
悪くはない。面白いけど。うううううんんんん。

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2003.12.24

天窓のある家 篠田節子 実業之日本社

女性の本音をえぐった短編集。いかにも篠田さんって、感じ。
●女と豆腐とベーゼンドルファー 
夫が会社を辞め、自宅でピアノを教える女性。人の良い夫は友人に借金を申し込まれるが・・。
●パラサイト
結婚せず親にパラサイトする女性とそれを批判する友人。しかし本当にパラサイトしていたのは・・?
●手帳
キャリアも結婚も子供にも恵まれた女性。一冊の手帳が仕事とプライベートを分けるキーだったが・・。
●天窓のある家
裕福な夫と幸せに暮らす友人を見て、嫉妬にかられた女性がストーカーに・・。
●世紀頭の病
30歳になると、突然老化してしまう奇病がはやりはじめた。
●誕生
キャリアのために子供を産むのをあきらめた女性に、水子霊がついた?
●果実
亭主関白の夫に長年つかえていた奥さんは、ついに熟年離婚。しかしその後夫は突然死してしまう。夫が残したバラは・・。
●野犬狩り
渋谷の若者たちが何者かに襲われる事件が。久々にあった友人が驚くほど美しくなっているのに驚く女性。友人は少林寺拳法を習っているという。
●密会
一人暮らしの母が心配で毎週母の元に通う息子。それを妻が浮気と誤解して・・。

「女と豆腐とベーゼンドルファー」が一番面白かったかな。
世のため、人のために働く夫の偽善性に深くうなずいた。

「密会」の母は、60歳という設定なのだが、60歳はまだまだ若いぞ。ちょっと首をかしげちゃいましたね、この母を老人扱いするのは・・・。

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2003.12.18

女神 久世光彦 新潮社

乱歩や芥川や大宰などの小説家が登場する作品を沢山書いている久世氏。
今回は昭和初期の「文壇」のアイドルホステスだった むうちゃんという女性が主人公だ。
直木三十五、青山二郎、大岡昇平、坂口安吾、小林秀雄など、有名どころが夢中になり、彼女をモデルにした作品も書かれたとか。
彼女は昭和33年45歳を目前にして自殺する。

なんか哀しい女のように書かれているけど、ある意味充実した生涯をおくられたのではないのかしら?





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2003.12.16

ゴルディオスの結び目 ベルンハルト・シュリンク 小学館

フランスで細々と暮らすドイツ人翻訳家ゲオルク。恋人には逃げられ、家賃は滞納。
ところが突然軍用ヘリの設計図の翻訳を依頼されるは、翻訳事務所の事務員と恋仲になるわ・・
妙にうまく行き始める。しかし、彼女が突然失踪。残されたわずかな手がかりを元に、
ゲオルクはニューヨークへ向かう。
一般人巻き込まれ型のスパイサスペンスというのでしょうか? 
でも結構のんびりした展開で、ゲオルクさんと恋人フランの波乱に満ちた恋愛話ともいえます。

ゴルディオスの結び目というのはアレキサンダー大王にまつわる故事で、ある神殿に黄金の
結び目がありこれをほどいたものはアジアの支配者になれるという言い伝えがあった。
大王はこれを解くかわりに刀で切り離してしまったとか・・。
まあ、コロンブスの卵みたいなもんですね。

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2003.12.09

スリーウェイワルツ 五條瑛 詳伝社

なんか久しぶりに五條作品で面白く読めた。
なんかダメなんだわRevolutionシリーズ。鉱物シリーズの方が好みなのかも。

で、その鉱物シリーズの方々も登場する本作品は、16年前に起こった航空機事故に隠された秘密をめぐって、北朝鮮、日本、アメリカの3つ巴の戦いが・・。

北の女スパイ由沙が、まあなんともカッコよいですなあ。
五條作品でこんな女性は初めてではありませんか?
それにショーン君も可愛いしね~。(笑)

いやいや・・。構成もよかったですね。
各章の始まりにおかれる女性の語り。きちんと最後にオチてます。

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2003.12.08

ねじの回転 恩田陸 集英社

人類を破滅に導くウイルスが蔓延する近未来。国連は時間遡行装置を使って、過去の歴史を修復しようとする。選ばれたのは2.26事件の当事者である青年将校達だった。

出だしはなかなか期待させるものがあったんですが、なんだか結局読み終わったら?? なんかこの国連プロジェクトって、はなっから意味があったのでしょうか(笑)
くり返される「不一致」で、いらだつのは、小説内の青年将校だけでなく、読者では?
ハッカーとか、伝染病のエピソードも頭の回転の悪い私でもすぐわかるような展開で緊迫感なしです。

名称の付け方「シンデレラの靴」とか・・、独自のセンスだとは思うのですが、うーん。いまいちでした。

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2003.12.04

しゃべれども しゃべれども 佐藤多佳子

売れない落語家がひょんなことから落語を教えることになる。集まったのは吃音のテニスコーチ、しゃべれない野球評論家、きつそーな美人の女性、関西弁を馬鹿にされる小学生。
年齢も職業も性別もバラバラのこの面々と自分の「真面目すぎる」芸についてあれこれ悩みながら成長し、恋も成就する落語家の青年の物語であります。

なかなか、ほのぼのと、よい感じで読めました。

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2003.12.02

最後の息子 吉田修一 文藝春秋

続けて吉田修一を読んだ。
驚いた。
こんな話しも書くんですねーというのが「Water」だった。
水泳部の高校生たちの爽やかな青春ものだ。
ここには「汗」「涙」「体臭」なんかが確かに存在している。

「パークライフ」の登場人物たちにはその3要素がない。でもどうもWaterに出てくる青年達と「最後の息子」や「パークライフ」に出てくる青年達はつながっているようなのだ。

ということは意識的に排除されているということなのだろう。

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2003.11.28

パークライフ 吉田修一

正直言って、ふーん、へーえ、ほーお・・、という小説だった。
空気感とか、希薄な人間関係とか今の時代を表現している・・と
いうことも出来るのでしょうねえ。

青年が地下鉄で偶然知りあった女性と、少しずつ打ち解けていく過程が
公園を舞台に描かれる。かといって、ドラマチックな出来事が
あるわけでもない。気球をあげてるおじさんが登場するが、おじさんが
なんのために気球をあげているかふたりで論じ「公園を上から見たいんじゃない?」
という結論になるけど、そういった感じの公園での出来事を俯瞰したような物語。

「flower」という作品はもうちょっと興味深かった。
石屋で働いていた青年が結婚して劇団に入りたいという妻と一緒に酒屋で働くのだ。
そこの同僚のちょっと変わった青年が妙にリアルである。

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