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September 2019

2019.09.13

◼︎書楼弔堂 京極夏彦 集英社

京極夏彦は物知りだなあ。

と、作品を読むたびによく思う。

 

時代は明治初期。旗本の跡取り息子だった高遠は今は失業中。

本好きでたまたま出会ったのが「弔堂」というおよそ本屋らしくない本屋。

古今東西、あらゆる本が揃いその人にとって「生涯の一冊」となる本を売る。

 

弔堂の主は京極らしく理屈で語る。私はこの理屈っぽい語り口が大好きで

読んでいて本当に楽しい。

 

弔堂が進めるその人のための本、そしてその人物は

芳年であったり、泉鏡花であったり、時に岡田以蔵であったり

ええええ、そんなエピソードが?という話が満載なので、本当によく知ってるよなあという

バカみたいな感想しか出てこないのだけれど

ちゃんと小説として話と絡んでいるのが素晴らしい。

 

そして常に「妖怪」愛に満ちいつもブレない京極夏彦は素晴らしい。

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2019.09.09

□ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド

せめて ワンサポナタイム くらいまで縮めたい。

 

久々のタランティーノでしたけど、いやいや〜 面白かった。

シャロン・テート事件がとりあげられると聞いてどう扱うのか興味があったのだけど

タランティーノ、いい人。泣きそうでした。

 

50年代にテレビスターだったディカプリオとそのスタントマンのブラッド・ピットのお話。

舞台の1969年にはかなり落ちぶれて、回ってくるのは悪役ばかり。マカロニウエスタンの出演を打診され落ち込むディカプリオ。

一応ハリウッドの豪邸に住むディカプリオの隣家に、今をときめくスター監督ポランスキーと新婚の若き妻で新進女優のシャロン・テートが

引っ越してくる。

とにかく50年代、60年代のアメリカンテレビドラマ、映画の再現度が高すぎて笑える。

完璧。

車で街を走る時に見える「ジョアンナ」、「可愛い毒草」なんかの看板や懐かしのドライブインシアター!

もう細かいこだわりが好きすぎです。

 

そして時代感を表す音楽の使い方もやっぱり私世代には響きます。

サイモン&ガーファンクル、パープルのハッシュ、バニラファッジのユーキープミーハンギングオン。サークルゲームまでかかっちゃったもんね!!

 

DVDで何回も見たいようと思わせる映画だった。久々だな。

 

 

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2019.09.01

🔳麗しき花実 乙川優三郎 朝日新聞出版

昨年読んだ「画狂其一」以来、江戸琳派周辺に興味があるのだが、

この作品にも抱一や其一が登場すると知り、読んでみた。

 

主人公は蒔絵師の理野。松江の蒔絵師の家に生まれ、羊遊斎の元に修行に出る兄について江戸へ行く。ところが兄が急死し

理野は兄の代わりに蒔絵職人として使ってくれるように頼み込む。

修行先の工房で抱一や其一など多くの人と知り合い、蒔絵の腕と自分の作品への意欲を高めていく。

 

また理野を取り巻く女達も興味深い。

 

理野が住む工房の寮は羊遊斎の愛人胡蝶が仕切っている。胡蝶は三味線の名手でやがて羊遊斎から独立し
対等の立場で相対するところが面白い。

抱一の愛人 妙華尼、工房の先輩祐吉の愛人など、愛人ばかりなのだが

それぞれ気持ちの凛とした女ばかりで清々しい。

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