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January 2018

2018.01.30

■ノーラ・ウェブスター コルム・トビーン 新潮社クレストブック

2年前に読んだ「ブルックリン」は本当によい作品だった。映画もよかったし。

コルム・トビーンなら
きっと面白いに違いないと手にした「ブラックウォーター灯台」。うーん。読んでいて辛かった。

そしてこの小説…。「ブルックリン」の主人公が生まれ育ったアイルランドのエニスコーシーが舞台。というか、作者もここの出身で作者の母をモデルとして自伝的作品ということなのだけど。


日常を細やかに描写し、ドラマチックなことはあまり起こらず、個々のエピソードが淡々と語られるという
「ブルックリン」で長所と思っていたことが、すべて裏目に出ている感じ。

読んでて、ずっとイライラしていたのだった。

ノーラさんは結婚して20年くらい。夫に先立たれ、喪失感を味わいながらも立ち直っていく3年間を描いている。
子どもは大学に通う娘2人と、小学生の男の子2人。

ブルックリンの主人公は真面目で真っ直ぐな性格の若い女の子だけど、性格はノーラと似たかなりの頑固者であった。でも若い分なのか? 新しい土地で新しい人や知識を受け入れていく素直さもある。

でもノーラはなあ。なんか意固地で頑ななんだよ。
小説中で知人が「あなたには品位がある」とノーラを褒める部分があるのだけど、そうかな。ただの頑固だと思うし、基本的に心がせまいよ。

昔働いていた会社に復帰するのだけど、元同僚でそのまま会社に残り現在はノーラの上司となる女性。小説中で嫌なやつのように書いてあるけど、確かに問題点もあるけど、ノーラ自身、彼女にかなりひどい態度をとっているので共感できない。そこまでされるような人ではない気がする。
そして会社のオーナーの娘。頭は悪くないようだけど、朝からずっと私用電話をかけまくっている描写が何度も出てくる。本人もノーラも悪いと思っていない点も理解できない。 

あと、労働組合問題、IRA関係で娘が活動家なのか?といった問題、色々エピソードがあるけどみんな何だか中途半端なのも気持ちが悪い。

ノーラの二人の息子の教育についても、ノーラの妹夫婦の方が息子たちのこと(娘たちのことも)よくわかっているように思えるし。

一体ノーラのどこがいいのか?  正直言って、わたしはノーラとあまりお友達になりたいと思わないなあ。

コルムさん・・・・。しばらく読む気になれない。


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2018.01.01

2017年 読書と映画

恒例 一年の総括。
今年は昨年末から入院していた母が1月に退院して、ホッとしたのも束の間、2月早々に父が入院。
結局4か月近く闘病の後退院と、半年近く落ち着くヒマもなかった。

と、その割には本は読めたかも。一応一か月3冊くらいは読めた。
しかも今年はかなりよい本が読めたのでとても嬉しい。

印象に残っているのは
佐藤亜紀の「スイングしなけりゃ始まらない」「吸血鬼」
町田康の「ギケイキ」
梓澤要の「画狂其一」
ポールオースターの「冬の日誌」「内面からの報告書」
ケイト・モートンの「湖畔荘」

特に「画狂其一」は本当に面白かった。江戸琳派の創始者酒井抱一が姫路藩のお殿様の弟なので
なにげに読み始めたのだけれど、琳派の系譜はもちろん画家の絵に対する情熱が丁寧に描かれていて引き込まれた。文章は抑制がきいているのだけど、画家たちの溢れ出る情念を感じました。それぞれの作品に対する描写も素晴らしく、作品を後でみたけど、文章の方がさらに凄みを感じたかも。
登場人物もそれぞれとても客観的な冷静な筆致で描かれているけど、さりげない会話や行動が人物を生き生きさせている。其一さんが出会う多くの人たち、師匠酒井抱一はもちろん、父、弟子たち、妻、旅先で会う人々、顧客である商家の老女、隣家の庄屋の老人・・・それぞれのエピソードや交わす言葉が印象に残る。
いやー本当にこの作品はよかった。

佐藤亜紀の「スイング・・・」はあまりに衝撃的な内容で驚きました。面白いピカレスク小説です。でも「吸血鬼」の方が佐藤亜紀らしいかな。どちらというと「吸血鬼」の方が好き。

町田康のギケイキはもう、大笑い!! っでも凄い。 早く続きを読ませてくれ。 

ケイトモートンは大河歴史ロマンミステリーの集大成って感じで、予測を裏切りまくる展開に息つくヒマもない。
最後はそう来たのか! でも許す。堪能しました。


ポールオースターの「冬の日誌」は「身体」の変化から眺める自分史という視点が新鮮。「二人称小説」がこれほど相応しい題材もないだろうね。現在の自分が過去の自分に「君」と呼びかけるのだから。

他にも桐野夏生さんの「夜の谷を行く」は、連合赤軍の話しというより60を過ぎた女性の日常という点から興味深かった。


映画は16本。
「パイレーツ」と「ダンサー・セルゲイポルーニン」は劇場で。
ポルーニンにはちょっとハマって、You Tube でもかなり見たなあ。
DVDでは「ブルックリン」がとてもよかった。原作も好きだったけど、映画も原作の雰囲気そのままにしかも美しい色で再現されて大変満足。


そうそう、今年は個人的に玉木宏にちょっぴりハマって過去の映画や舞台も見に行ってしまった。
彼は表情がよいので、舞台より映像向きだと確認。

来年は還暦。父母の介護はいつまで続くのかわからないけど、最後まで付き合うしかないですねえ。

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