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2017.12.12

■画狂其一 梓澤要 NHK出版

よいものを読んだという思いです。
梓澤要さんという作家、初読みでしたが、よく書いてくださった。感謝です。

姫路のお殿様の弟で画家だった酒井抱一のことは、うっすら知っていたので興味を持って読み始めました。
ただ大名の余技だと思っていたのですが、江戸琳派の始祖だったのですね。
そして弟子の鈴木其一。二人の師弟関係とそれぞれの絵に対する想い、画風の違いなど年代を追って割合と
たんたんと描かれているのだけど、とても素晴らしい。
よい絵を描きたいという想いに突き動かされる絵師の執念を描ききってる感がありました。

作品の描写が丹念で細やかで、どんな絵かとネットで調べて見ると、いやむしろ小説の描写の方がすごくない?とか思ったり。(もちろん実物の絵はもっとスゴイのだろうけど)

一見順風満帆に見える其一の画家として人生も、そこにさまざまな葛藤があり、そのことでさらに高みを目指していくさまが心打たれる。

師匠酒井抱一とその友人の谷文晁、北斎や広重も登場します。七代目海老蔵、姫路に旅して河合寸翁との出合い、最期に登場する大物井伊直弼など、江戸の有名人もたくさん登場するのでなんだかワクワク。それにくわえて
江戸の大店のお婆様、自宅の隣に住む庄屋のおじいさんなど市井の人が語るエピソードも印象深く、時々涙してしまった。

其一の最大傑作「朝顔図屏風」これは一度本物を見てみたいなあ。

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