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June 2011

2011.06.08

■銀の仮面 ヒュー・ウォルポール 国書刊行会

「ジェレミー少年と愛犬ハムレット」が面白かったので、同作家の作品を教えてもらった。ミステリ−系の短編集。 むしろのこの人の持ち味はこっちが本筋なのかしら。

表題作の「銀の仮面」は独り暮らしの女性が、徐々に他人に家を乗っ取られていく話。安部公房の「友達」とか、類似の作品は結構あるような気がするけど、これが「元祖」なのかも?

「敵」という作品は、大嫌いな奴だけど、いなくなったら淋しいという妙な心の動きが面白く描かれてる。結構気に入った。

ジェレミー少年とハムレットも登場する作品も収録されている。「ルビー色の仮面」微笑ましいジェレミー君に、ガンバレ!エライぞと、声をかけてやりたくなりました。

「中国の馬」「トーランド家の長老」も面白い。

第2部はちょっと趣が変わって、超常現象っぽい事件が起こる話が中心。
わたしは1部の方が好きな作品が多いかな。

風景描写がとても素晴らしく、イギリスの街並や郊外の風景が浮かび上がってきます。

当時は売れっ子だったそうで、今はあまり評価されていないのか、訳書も少ないですね。
でもかなり面白い作家。今年前半のベストに入ります。

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2011.06.04

■暮らしの手帖とわたし  大橋鎮子 暮しの手帖社

わが家は父母が結婚した時から「暮らしの手帖」を定期購読していたようだ。なので、わたしが物心づいた時から「暮らしの手帖」はいつも家に存在していたわけだ。小学校の3年生くらいの頃からは、毎号愛読し始め、バックナンバーも読破していた。いっぱしの手帖読者だった。
当時から記事は社員が自らモデルとしても登場していたので、それぞれのお顔も覚えている。
今回、この本を読んで「ああ、この方が大橋さんだったのか!」と初めて知った。何度も何度も誌面で見た事のある人だったから。

聡明で明るく、素敵な笑顔の女性。暮らしの手帖社主である、その大橋さんの自伝であります。

名編集長花森安治と「手帖」を創刊し、独自の誌面を作り上げていった大橋さん。
若くして父を亡くした後、家族を養うためには、私が勤め人ではだめだ。会社を作ろうという発想が凄いですが、真面目で一生懸命な人柄に周りの人みんなが惹かれていったんでしょうねえ。

文章も丁寧で品があって、そして懐かしい記事も再録され、とても楽しく読むことができました。

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