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2010.07.16

■橋 橋本治 文藝春秋

「巡礼」は、団塊世代より少し上の世代の男性が主人公だった。
「橋」は団塊世代の母とその娘という女性の物語だ。

その所為なのか、「巡礼」よりもずっと息苦しい思いで読んだ。
主人公である雅代とちひろという2人の女性は、最終的に犯罪を犯すのだけど、そこに至るまでを、彼女らの母の時代から描かれる。時代、環境。そして橋本治ならではの、切り取ったシーンの心情描写が的確だ。

ピンクレディーを歌い踊る小学生だった雅代とちひろ。母達は団塊世代。
当たり前のことだけど、同じ時代でもその時自分が何歳だったかによって体験できることは違ってくるので、わたし自身は彼女たちと母たちの間の世代なので、どちらの世代も等間隔で見ることができる。
ただ後半、2人が成長してからの、この2人の娘達の気持ちの「荒廃」ぶりは何なのか? 正直いって、ここまで荒む原因が見いだせなかった。

それから、この2人の犯罪は、特定できる有名な実際の事件を思わせるので、犯人の女性像と重なってしまう。事件がかなり強烈だから、それぞれの個別の事情による犯罪というイメージになってしまった。そのためどうも普遍性がないような気がして、その辺りがちょっと物足りない。

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