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July 2010

2010.07.28

■私の台所 沢村貞子 講談社

家族が定期購読していたので、小学校時代から「暮らしの手帖」の愛読者でした。

沢村貞子さんのエッセイも手帖に連載されていた頃に、読んだことはあったと思うのだけど、
新装版で出たこの名エッセイを読み返してみました。
キリッとした明治女の心意気が感じられる文章です。

背筋を伸ばし、居住まいをただしたくなる内容でした。
だらけた日常に喝を入れてもらったような…。

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2010.07.21

□イングロリアス・バスターズ

DVD鑑賞。
劇場公開時見逃してしまった1本。

コメディ寄りと思っていたけど、意外なほどシリアスだった。
連合軍特殊部隊の工作計画とナチスに復讐を誓うユダヤ人美女のストーリーが交錯する。

冒頭のパリの農家に、ナチスの「ユダヤハンター」と呼ばれるランダ大佐がやってきて、ユダヤ人をかくまっている一家の主人と相対するシーンから、あまりの緊張感に目が話せない。

一方、イングロリアスバスターズと呼ばれるブラッドピット率いる特殊部隊の面々は、かなりワイルドな奴ら揃い。「ナチ野郎をぶっ殺す!」ドイツ兵をバットで殴ったり、頭の皮を剥いだりと、手口も野蛮ですが、みんなちょっとマヌケで笑いを誘う。

この緊張と緩和の間がよいです。
連合軍のスパイたちの打合せ場所の居酒屋シーンの緊迫感もすごかった。
そして家族を殺されたった一人生き残ったユダヤ美女ショシャナのナチへの復讐計画は成功するのか。

ヒトラー、ゲッペルスとナチスの大立者が続々登場する中、冒頭に登場したランダ大佐が光っている。

英・仏・独・伊の4カ国語に堪能で誰よりも冷静に戦局を分析していたランダ大佐を演じる俳優さんがすごいです。カンヌでも助演賞をもらったそうですが、彼なくしては成り立たなかっただろうなと。

とにかくお約束事をつぎつぎぶっ飛ばす意外な展開にあっけにとられますが、2時間半近い尺をほとんど飽きることなく楽しめました。 

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2010.07.18

■モディリアーニの恋人 橋本治/宮下 規久朗 新潮社

宮下 規久朗さんって、守備範囲広いなあ〜。 こんどはモディリアニです。 橋本治との共著?というので読んでみました。

タイトルどおり彼の生涯と作品を、特に女性との関係から解説したビジュアルブックです。最近、彼の後を追って自殺したジャンヌエビュテルヌの写真や、彼女の描いた作品が発見され、ジャンヌ像が大きく変わったらしいです。
これまでモディリアニの絵を見る限りでは、か弱い、やさしい女性というイメージだったけど、実際の写真を見ると、かなり情熱的で意思の強そうな感じ。作品もハッとさせるようなものを持っています。

「モディリアーニ モンパルナスの伝説」宮下規久朗 小学館もほぼ同様の内容。

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2010.07.16

■橋 橋本治 文藝春秋

「巡礼」は、団塊世代より少し上の世代の男性が主人公だった。
「橋」は団塊世代の母とその娘という女性の物語だ。

その所為なのか、「巡礼」よりもずっと息苦しい思いで読んだ。
主人公である雅代とちひろという2人の女性は、最終的に犯罪を犯すのだけど、そこに至るまでを、彼女らの母の時代から描かれる。時代、環境。そして橋本治ならではの、切り取ったシーンの心情描写が的確だ。

ピンクレディーを歌い踊る小学生だった雅代とちひろ。母達は団塊世代。
当たり前のことだけど、同じ時代でもその時自分が何歳だったかによって体験できることは違ってくるので、わたし自身は彼女たちと母たちの間の世代なので、どちらの世代も等間隔で見ることができる。
ただ後半、2人が成長してからの、この2人の娘達の気持ちの「荒廃」ぶりは何なのか? 正直いって、ここまで荒む原因が見いだせなかった。

それから、この2人の犯罪は、特定できる有名な実際の事件を思わせるので、犯人の女性像と重なってしまう。事件がかなり強烈だから、それぞれの個別の事情による犯罪というイメージになってしまった。そのためどうも普遍性がないような気がして、その辺りがちょっと物足りない。

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