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June 2010

2010.06.27

■四日間の不思議 A.A.ミルン

「くまのプーさん」のミルンのミステリーといえば「赤い館の謎」が有名ですよね。わたしもはるか昔に読んだ覚えがありますが、内容は忘れてしまいました。

こちらは、ミステリーというよりユーモア小説という趣き。「ボートの3人男」とか英国ユーモア小説の系譜をひいた作品ですね。
お嬢様ジェニーが、伯母の事故死の現場に遭遇してしまい、あわててその場から逃亡してしまったことから巻き起こるてんやわんや。聡明な友人ナンシー、ナンシーが秘書を務めるちょっと好色な小説家フェントン、好青年デレクに、少し間抜けな探偵役となる警部。

坂田靖子の漫画「バジル氏の優雅な生活」みたいな感じで、こういう話しは大好き。

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□シッコ

DVD鑑賞

遅まきながら「シッコ」を見ました。
アメリカの医療状況、保険がないがために診療を拒まれたり、入院先から追い出されたり…。
9・11の消防士(ボランティア)ですら、満足な治療を受けられない。

一方、カナダ、フランスやイギリスでは、医療費は無料。アメリカが忌み嫌う共産主義国キューバでも
国民の医療は手厚く保護されている。
いったい、どうなってんだ! とマイケル・ムーアは嘆く。
結局、民間の医療保険業界が力を持ちすぎているらしい。

つい最近、アメリカでも医療保険制度改革法が可決されて、ようやく国民皆保険制度実現に向けて動くことになったけれど、相変わらず医療保険業界は色々策を労して、骨抜き法案にしようとしているらしいですね。

キューバの医療を取材していたとき、ゲバラの娘さんが登場しました。ゲバラは医者だったし、彼の志が根付いているんだろうなあ。

それにしても、911の消防士たちの多くは呼吸器系の病気に悩み、治療も受けられない状況で、一方犯人のテロリストたちは刑務所で手厚い保護を受けているというのが何ともやりきれない。
こういう事例をもってくるところがムーア監督のうまさですね。

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2010.06.23

■刺青とヌードの美術史 宮下規久朗 NHKブックス

「ウォーホル」に続いて宮下規久朗氏の美術論を。

考えていたのとは、全然違って(笑)刺青のところで、絶対、モローの「サロメ」が挙げられると思ってたんだけど。刺青に関しては日本の美術オンリーでした。

しかし、なかなか面白い論考でした。ヌードは西洋で作り上げられた「理想の美」。日本では心と体をひとつのものと見なすので、体のみを理想化するという考えは馴染まなかった。「ヌード」が輸入された明治時代まで(特に江戸期)は、庶民の間では「裸体」は、ごく当たり前の情景で、職人やかごかきなどは、当たり前のように上半身をさらしていた。しかし、これは風景の一部であり、見えているけど意識しないもの。眺めてはいけないものだった。明治以降、外国人が日本にやってきて、その裸体姿に驚き、政府は「裸体は恥ずべき風習」と取り締まったとか。
一方、「芸術」としての「ヌード画」が輸入され、日本人は見ることを恥ずかしがったという。
つまり、風景としての裸体は当たり前のものであったが、「裸体」をわざわざ眺める、見るというのは無作法なことであったのが江戸〜明治時初期の日本人の「裸」に対する認識だったという。

裸を見る行為は、例えば見世物小屋とかあくまで密室で行われるべきで、美術館のようなところで一般大衆に公開されるべきではないというのが人々の感覚だった。

この頃、日本の芸術家たちが「裸体」を描く為に苦労した例がいくつか紹介されているのだけど、興味深かったのが「生(いき)人形」という興行で展示された人形の数々。代表的作家である、松本喜三郎が熊本出身で、熊本に美術館があるようなので一度見てみたい気がする。基本的に木彫りなのだけど、安本亀八作の「相撲生人形」の迫力たるや、写真で見るだけでもすごい。日本の木彫技術の粋といえるかもしれませんね。当時、東京や大阪では60万人くらいの観客を動員したらしい。

あと、裸体芸術としての刺青の考察も面白かった。もともと浮世絵師が読本の挿絵として描いたキャラクターに施した刺青がセンセーショナルで、大流行したのが元だとか。

裏美術史というか、とにかくいろいろ新鮮でした。

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2010.06.20

■勇気の季節 ロバート・B・パーカー 早川書房

事故死したクラスメイトの事件の真相をさぐるテリー、そしてガールフレンドのアビー。
どうやら校長と町の名士夫人がからんでいそう。

テリーはボクシングを習っていて、そのジムのトレーナーが父親のように(テリーは父を亡くしている)
ボクシングだけでなく、生き方を導いていくのだった。

うん、いかにもパーカーらしい要素にあふれる青春小説でした。

テリーとアビーが、スペンサーとスーザンのようです。スーザンよりはずっと可愛らしいけどね。(笑)

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□天然コケッコー

DVD鑑賞
この作品は読んでないのですが、くらもちふさこの漫画は好きです。

映画としてはまあ、悪い出来ではないでしょうが、ちょっとテンポ遅すぎて、眠くなりましね。
期待しすぎだったからかも。

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2010.06.14

■ウォーホルの芸術 宮下規久朗 光文社新書

少し前に「カラヴァッジオ巡礼」を読んだが、偶然にも、著者の宮下規久朗氏の講演が地元のギャラリー主催で開催された。
テーマは「フランス美術の変遷」だったのだけど、さすが「カラヴァッジオ巡礼」の著者。質問コーナーで、話しをふられると、すごい勢いで話しだして、面白かった。というか、フランス美術の話しより、カラヴァッジオの話しが聞きたかったなあ。

さて、かなり宮下氏は守備範囲の広い方で、今回は時代がとんでウォーホルです。
15年ほど前に日本で大規模な展覧会がありましたが、この時、東京の現代美術館で学芸員をやっていたのが宮下氏だったそうです。そういえば、見に行きましたよ。

ウォーホルといえば、スキャンダラスな側面がクローズアップされることが多く、純粋な美術としての論考は意外と少ないと、宮下氏は語る。
アーティストとしての「個性」を消すことによって、キリスト教の「イコン」に近づこうとしたという指摘に目からウロコ。
確かに、有名なモンローの平面的なシルクスクリーンは「イコン」だなあ。
なかなか示唆に富む本でした。

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□運命じゃない人

DVD鑑賞

「アフタースクール」の監督、内田けんじのデビュー作。
すごく面白かった。 良く出来てますねえ。

ひとつのシーンを別の視点から見ると…こんな事実が次々と…というのは「アフタースクール」と
同じだけれど、こちらは、ほとんど無名の俳優を使っているので、より新鮮に見られた。

主演の奥手なサラリーマン君、友人の探偵、ヤクザの親分、そしてサラリーマン君の元カノがよかった。反対に主演の女優さんがちょっと弱いかな。
ラストも、ちょっとわかりにくかったような気がします。

この監督テーマは実は「男の友情」なのかしらん。


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2010.06.05

■旧怪談 京極夏彦 メディア・ファクトリー

「耳袋」という江戸時代の怪談を京極が現代語訳。
面白くてわかりやすい「怪談」でした。

タイトルの付け方が秀逸です。

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□マイ・ブルーベリー・ナイツ

DVD鑑賞

つまんないだろうな〜、と思って見たのだけど、予想通りつまんなかった。
実は、ウォン・カーウェイ映画は初めてだったんだけど。

色遣いは確かにきれいですなあ。

しかし、話しが甘すぎて、そのうえ退屈。
だから、何!?
見事に何も残らない映画ですね。

ただ、この映画でのジュード・ロウが、非常に素敵に撮れています。予告編で見て、あら、いつもより素敵と思って、それだけが見たかったのでした。 ヘアスタイルのせいかな。

以上。

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2010.06.03

■エデン 近藤史恵 新潮社

「サクリファイス」の続編。
3年後のチカは、ヨーロッパでレースを続けていた。
しかも、あの憧れの「ツール・ド・フランス」に参加することになっていた!

「ツール・ド・フランス」の名前は知ってても、どんな風にレースをするのか知らなかった。
中継を見ても楽しめるかも知れない。

ストーリーは、爽やかで気持ちよく読めた。

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