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2010.04.13

■巡礼 橋本治

橋本治は、戦後から現在に至るまでの日本を描ききったと思う。
大きな大きな荷物を溜め込んでしまって、吐き出すこともできず、鬱屈している現在の日本。

戦後時代が移り変わるさまを描いた小説は多々あるのだろうけど「ゴミ屋敷」の住人をとりあげるとは…。目の付けどころが鋭すぎる。

何十年ものゴミを溜めに溜め、悪臭を振りまくゴミ屋敷。周りの住民からは気味悪がられたり、嫌がられたり。しかし、誰もそこの住人の気持ちを知らない。
そして、住人自身も、なぜそうしていたか、分っていなかったのだ。

ごく普通の男性が、ごく普通に生きてきたはずなのに、どうしてこんな状態になってしまったのか。何を溜め込み、吐き出す事ができずに、この日を迎えたのか。少しずつ時代とズレていった男の心が哀しい。 

はじまりはワイドショー。周辺に住む主婦達の細かい描写や会話が橋本さんらしい。何人かの主婦の行動や心の動きなんでここまで「おばちゃんたち」の細部まで分るのだろう、と、いつもながら感心する。(笑)

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