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2009.10.01

□ディア・ドクター

西川美和監督って、人間観察の天才ですね。
緊張感漂う「ゆれる」も素晴らしかったけれど、この映画にしても構成・脚本の力が凄すぎて、うなってしまいます。

過疎地の診療所の医師が、突然行方をくらませた。なぜ? 
消えた医者伊野の、在村時の様子と、消えた後の捜査の過程が、交互に語られ、次第に失踪の理由が明らかになっていく。

嘘と真実。偽物と本物。そんな二元論で分類することはできない人間の多面性を、なんでもない日常の出来事で描いていく。しかも過疎地の高齢者医療、ターミナルケアについて、考えさせるようになっているんですね。わかりやすく、でも単純じゃない。ともかくお見事。

八千草薫、研修医の瑛太、看護婦の余貴美子、などキャスティングも全員見事にハマっています。そうそう、井川遥もよかった。鶴瓶の一瞬の「笑ってない目」を捉えたところが印象的。

ラストは賛否あるらしいけど、わたしは好きだなあ。泣きそうになったよ。

「ゆれる」で都会に行った弟と田舎に残った兄の葛藤が描かれたのと同様、都市と田舎という2軸もある。八千草薫演じる、未亡人しづ子さんの娘りつ子は医者だけれど、それこそ母のいるこの村の診療所で働くことだってできるのに。

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Comments

ネット上では、ユダヤの諸々に関する記述に対する違和感などからの否定的な評価が多く見受けられますが、前半のあのタメが後半になるとズッシリ効いていると思います。
各キャラクターがしっかり造形されていること、それと全体を支配する皮肉っぽいユーモアも楽しめました。ユダヤ教の扮装をしたアラスカ先住民とかハーレーのミニチュアを駆った警官とか、ヤンキーの警察官僚の名前がキャッシュダラーとかね、主人公の減らず口は勿論ですが。

Posted by: 螺旋 | 2009.10.03 at 12:06 AM

ネット上では、ユダヤの諸々に関する記述に対する違和感などからの否定的な評価が多く見受けられますが、前半のあのタメが後半になるとズッシリ効いていると思います。
各キャラクターがしっかり造形されていること、それと全体を支配する皮肉っぽいユーモアも楽しめました。ユダヤ教の扮装をしたアラスカ先住民とかハーレーのミニチュアを駆った警官とか、ヤンキーの警察官僚の名前がキャッシュダラーとかね、主人公の減らず口は勿論ですが。happy01

Posted by: 螺旋 | 2009.10.03 at 12:08 AM

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