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2009.03.05

■薬指の標本 小川洋子 

以前から読みたいと思っていた「薬指の標本」。 小川洋子さんらしい、硬質で湿度の低い文章で語られる、ミステリーのようなホラーのような、ファンタジーのような、なんとも不思議な物語。思わず引き込まれてしまう。
しかし、これほど静謐なのに、なんとエロティックなことだろう。

主人公はサイダー工場の事故で薬指の先を失ってしまうのだけれど、その肉片がサイダーの中で桜色にほんのり染めていく…という描写がある。 その表現はグロテスクであると同時にあまりにも美しい。

標本室にしまわれた標本たちは「記憶」なのか「想い出」なのか。それとも「決別したいもの」なのか。

「博士の愛した数式」や「ミーナの行進」もよいけれど、小川洋子さんの本質って、こんな短編なのかしら。
3月は小川洋子さん月間にしようと思います。

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