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February 2009

2009.02.27

○決めてやる今夜 内田裕也vs沢田研二 神戸国際会館

2月27日 神戸国際会館にて

内田裕也氏と沢田さんのジョイントライブでした。加瀬邦彦氏 演出・構成
楽しかった〜。

いつもの沢田バンドの4人に加え、ギター、ベース、ホーンセクション+ダンサーズも加わって、音も華やか。

センターにはバーカウンターがあって、片方が歌う時には、片方はちょっと休憩できるようになっているのです。カウンターで、目をつぶっている裕也さんは、縁側でひなたぼっこをしながら、うつらうつらしているおじいちゃんにように愛らしい。
しかし、ひとたびマイクに向かえば、さすが根っからのロックンローラー。
カッコええやん。

全編ロックンロールなのです。チャック・ベリー、アニマルズ、ビートルズ、ストーンズ、プレスリー etc...そしてそれぞれのオリジナル裕也さんの「コミック雑誌なんかいらない」。沢田さんは裕也さんのことを歌った「湯屋さん」など。

楽しい一夜でした。
裕也さんは「できれば、もっとやりたい」とおっしゃってましたが、本当に、東京・神戸だけじゃ、もったいないね。

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2009.02.23

■チェーン・ポイズン 本多孝好  新潮社

本多孝好さん、初読みです。同僚が貸してくれました。

誰にも愛されず、求められず、孤独に暮らす30代のOL。まるで死んだように生きている自分の人生に絶望し、自殺を決意する。そこへある人物が現れ、一年待てば、楽に死ねるから、それまで待てと説得されるのです。一年後、自殺したあるOLに興味を引かれた週刊誌の記者が、自殺の背景を探り始める。OLのその後の一年の生活と、記者によるOL像が、それぞれの交互に語られます。

面白かったです。ミステリーという意識がなく読んでいたので、最終的に「ああ」そういうことね。と驚きましたが、嫌な気分はなく、むしろ祝福したい気持ちになりました。
同種の仕掛けの「葉桜の季節君を想う」とか「イニシエーション・ラブ」は、仕掛けのための仕掛けという感じで、肝心のストーリーに共感できなかったのですが、こちらは主人公の心の変遷がしっかり描けていて、よいんですね。

他の作品も読んでみたいと思います。

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2009.02.18

■スリーピング・ドール ジェフリー・ディーヴァー

ディーヴァーのライムシリーズ「ウォッチメーカー」に登場したキャサリン・ダンス。キネシクスという手法で犯罪を捜査するカリフォルニア警察の捜査官。キネシクスとは言語行動による 人間嘘発見機と呼ばれる女性。
鑑識で物証による操作を行うライムに、対照的なダンスの捜査が「ウォッチメーカー」でうまく働く。
旦那とは死別したシングルマザーというキャサリンが魅力的。

「スリーピングドール」は、そんなキャサリンを主人公に据えて、新しいシリーズが始まるみたい。ペルというカルトの教祖が脱獄。ペルはコンピュータ会社の社長一家を殺害した罪で服役していたが、獄中で密かにペルの信奉者と連絡をとっていた。カルトの教祖という他人をコントロールする術に長けた人物の行動を、キャサリンは、当時のカルトの信者であった女性との尋問によって導きだそうとする。

いつもいつも思うけど、ディーヴァーってよくもまあ、ここまで話をてんこ盛りにするなあと。シリーズ化する予定だからかもしれないけど、息子と娘、そして両親のこと、CBIの同僚たち、今後このあたりはレギュラーになるのでしょうが、
しかし、この話、たった一週間の物語というのも凄すぎる。スピード早すぎませんか〜。この間に何人死んだよ? そしていつも思うけど、どんでんがえしやりすぎ。

色々、言いたいことはあるけれど、最終的に割とよかったなーと思えたのは、ペルを取り巻く女性達。
スリーピングドールとは、殺された社長一家のなかでただ一人生き残った少女をマスコミが名付けたあだ名。 彼女は事件中寝ていたために発見されず、難を逃れたのだった。現在は身元を隠して生活している。元信者の女性達も同様に別人になって生きている。彼女達は全員、今もなお「スリーピング・ドール」だったのだ。
ラストでは、スリーピング・ドールだった女性達が、目覚めて自分の足で歩き出すであろうことを示唆して終わる。 その辺りがこの小説の読後感をよくしていると思う。
ライムシリーズより、好きになれそう。

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2009.02.05

□CHE 39歳 別れの手紙

28歳でキューバ革命に成功したゲバラは、39歳の時、ボリビアの反政府勢力を支援するために、家族を置いて旅立つのだった。盟友カストロに「別れの手紙」を残して。

冒頭、カストロがこの手紙を、朗読するところから始まります。「世界にはわたしの力を必要としている人がいる」。
変装をしてボリビアに渡るゲバラ。その変装のままで家族とも最後の夜を過ごすのです。

映画自体は28歳と同じく、淡々とゲリラ戦が描かれていくドキュメンタリータッチなのだけど、キューバ革命から10年以上。ボリビアとキューバでは国状も違うし、時代も変わってきている。1964年 東京オリンピックの年です。

ゲリラ軍は、一般農民からの支持があまり受けられないうえ、政府軍のアメリカの指導を受けた巧妙な戦術の前に、次々と仲間を失っていくのですね。
食料も不足しがちで、時に苛立ちを隠せないゲバラの姿も描かれます。
結果はわかっているから、見ているとつらいですね。

捕えられ、見張りの兵士とかわす会話が、ゲバラという人を最もよく表しています。
「神を信じるのか?」「私は、人間を信じている」
くーっ。(涙)

ラスト。一瞬、若い時のゲバラが映し出され、タイトルロールへ。
スペイン語の歌が流れるのだけど、その曲が終わったあとは、無音のまま、クレジットがえんえん流れます。
この無音にしたところが、過剰な演出を避け、ゲバラをカリスマやヒーローに仕立てなかった、この映画らしく、とてもよかったです。


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2009.02.02

□歩いても 歩いても

妹がよかったといってたので、見たかった映画。
地元の映画鑑賞会で上映してくれたので、見ることができました。

長男の命日に集まった家族の一日。 老夫婦一家に、娘と次男がそれぞれ家族連れでやってくる。
先に着いた娘と母が、台所で料理をする場面から始まる。
ジャッジャッ。トントン。シャカシャカ。グツグツ。手慣れた手つきで食材を洗い、切り、煮る。手元のアップと、そのリズミカルな音に、母と娘の他愛ない会話が混ざる。

冒頭から惹き付けられてしまった。そして、この映画のトーンをたちどころに理解させていく手腕に感じ入った。

特に事件が起こるでもない。家族で料理を食べ、昔の写真を見たり、お風呂に入ったりする日常が、淡々と続いていくのだが、家族の断片的な会話から、少しずつ過去や現在の状況が見えてくる。
父は引退した開業医。死んだ長男は、溺れていた少年を助けようとして自分が溺死。次男の嫁は再婚で子連れであるとか。

とにかく母を演じる樹木希林がうますぎ。
生活のちょっとした動作があまりにも自然で。(入れ歯を外すときのさりげなさが凄い。ってこれは演技じゃないのか) 
やさしいおばあちゃんのように見えて、ちらっと見せる毒が恐い。 それをさらっと言ってのける樹木希林さん。
父役の原田芳雄さんも、頑固者だけど、引退したあと、家では所在ない感じを出してていい。
「ここはじいちゃんが建てた家なのに、なぜおばあちゃんち、って言うんだ!?」と孫に文句言ってるところがおかしいです。
娘のYOU、息子の阿部寛、嫁の夏川結衣、子役も、全て全てはまってました。

「人生は、いつもちょっとだけ間に合わない」秀逸なコピーだと思います。
昨年見てたら、迷わずベスト1。

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