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2009.01.23

■帰郷者 ベルンハルト・シュリンク 新潮社

「朗読者」で有名なシュリンクの新作です。
「朗読者」映画になるのねーと思ったら英語のタイトルはThe Reader、邦題は「愛を読む人」なんですってね!? なんだ、それは。 

気を取り直して、この新作「帰郷者」はまたシュリンクらしい、戦中・戦後のドイツの歴史を踏まえた作品です。

主人公のペーターは、幼い頃、祖父母の家である小説を見つけます。それは第二次世界大戦後に故郷へ帰郷した兵士の物語だった。妻が待つ家の扉を開けると、妻の後ろに別の男が・・・。しかしこの本の後半のページがなく、結末が分からないままだった。
成長したペーターは小説の失われた部分を知るために、終戦当時の状況を調べ始めるのですが、その過程で、死んだと聞かされた父の行方についての疑惑が明らかになってきます。また同時に、大戦後に数多くの「帰郷文学」が書かれたことを知ります。そしてこのテーマの源は「オデュッセイア」だと気づくのです。戦争(など)で家を離れた夫と、留守を守る妻ですね。夫が戻ってきた時、妻は? ①妻に恋人がいて、夫は去る②妻に恋人がいるが、恋人が去って夫が残る③夫も恋人も去ってしまう…ほかにも、さまざまなバリエーションが考えられるし、実際に小説になっているわけですね。
「帰郷者」はこれを踏まえて、ペーターが読んだ小説、死んだと聞かされていた実の父の行方、そしてペーター自身の恋愛とが何層にも重ねられ、複雑な構成になっています。

しかし、ペーターがニューヨークへ行ってから後半は急展開! まさかこんな話になるとはな〜。
というか、ちょっと、色んなことを詰め込みすぎて破綻しているような気もします。
とはいえ、実にドイツ的な感じがしました。 

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