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January 2009

2009.01.29

■オリンピックの身代金 奥田英朗 角川書店

はじめて読んだ奥田作品は「最悪」であった。
町工場のおやじが、ちょっとしたことがきっかけで、どんどん最悪の方向へころんでゆく。

ここ最近、軽めのコメディータッチのものが多かったので、あの頃の奥田英朗が戻ってきた!って感じですね! 気合いの入った二段組みだし。読み応えあります。

なにしろ、東京オリンピックですからね〜。昭和39年ですからね〜。出てくる人は、今いくつだ?なんて思いながら読んでました。ビートルズに夢中になってるBGの良子ちゃんは今年60歳なのね、とか。

あの頃の日本、あの頃の日本人。
東北の貧農出身の大学生、島崎。 対して大学の同級で現在テレビ局勤務の須賀は、父は警察官僚で華族の家柄。当時憧れの的だったモダンな「団地」に入居した刑事など、多様な登場人物が社会世相を浮かび上がらせていきます。

オリンピックを人質に、島崎が仕掛けた事件。犯行に至る島崎の行動と心情。時間軸と視点が交差して語られるのでとてもスリリング。
ラスト近くは一気に読んでしまいましたが、なんか読み終わったあと、物足りない感じがしたのは何故かしら。

しかし40年たっても全く社会構造が変わっていないのではないの?

それにしても、オリンピックに期待し、盛り上がっていた当時の日本人の気持ち。開会式当日の空の青さの描写に、感慨を抱きます。

だからこそ「体育の日」は10月10日でなくちゃいけないんだよ。 意味のある日なんだから、祝日を元に戻してほしい。


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2009.01.25

■傍聞き 長岡弘樹 双葉社

初めて読む作家さんです。日本推理作家協会賞 短編部門受賞作という帯があったので、どんなものか、読んでみました。

収録作品は表題作の「傍聞き」を入れて全4作品。更生施設の所長、消防士や女性刑事、救命士といった特殊な職業の人を主人公にしています。
とはいえ、基本的に、おだやかな物語で、あっさりした感じなので、読後の印象はちょっと薄い。

受賞作の「傍聞き」は「かたえぎき」と読みます。これは直接本人から聞く話よりも、他の人に話しているのを傍で聞いた話のほうが信用されやすいという意味の言葉。

どちらかというと、最後の救急士が登場する「迷走」が面白かった。

(それにしても、ほんと、短編って感じで、本を開いた時、文字があんまりにも大きくて、ちょっとびっくりしました。いや、老眼には優しいと思うのだが)


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2009.01.23

■帰郷者 ベルンハルト・シュリンク 新潮社

「朗読者」で有名なシュリンクの新作です。
「朗読者」映画になるのねーと思ったら英語のタイトルはThe Reader、邦題は「愛を読む人」なんですってね!? なんだ、それは。 

気を取り直して、この新作「帰郷者」はまたシュリンクらしい、戦中・戦後のドイツの歴史を踏まえた作品です。

主人公のペーターは、幼い頃、祖父母の家である小説を見つけます。それは第二次世界大戦後に故郷へ帰郷した兵士の物語だった。妻が待つ家の扉を開けると、妻の後ろに別の男が・・・。しかしこの本の後半のページがなく、結末が分からないままだった。
成長したペーターは小説の失われた部分を知るために、終戦当時の状況を調べ始めるのですが、その過程で、死んだと聞かされた父の行方についての疑惑が明らかになってきます。また同時に、大戦後に数多くの「帰郷文学」が書かれたことを知ります。そしてこのテーマの源は「オデュッセイア」だと気づくのです。戦争(など)で家を離れた夫と、留守を守る妻ですね。夫が戻ってきた時、妻は? ①妻に恋人がいて、夫は去る②妻に恋人がいるが、恋人が去って夫が残る③夫も恋人も去ってしまう…ほかにも、さまざまなバリエーションが考えられるし、実際に小説になっているわけですね。
「帰郷者」はこれを踏まえて、ペーターが読んだ小説、死んだと聞かされていた実の父の行方、そしてペーター自身の恋愛とが何層にも重ねられ、複雑な構成になっています。

しかし、ペーターがニューヨークへ行ってから後半は急展開! まさかこんな話になるとはな〜。
というか、ちょっと、色んなことを詰め込みすぎて破綻しているような気もします。
とはいえ、実にドイツ的な感じがしました。 

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2009.01.21

○奇跡元年 沢田研二 大阪厚生年金会館

沢田さんはドームで燃え尽きたりしません。 むしろパワーアップして2009年のスタートを切りました。
恒例の正月コンサートですがタイトルからして凄いでしょ。「奇跡元年」だもんなあ。
これからはリアルタイムでずっと「奇跡」を目撃していくことができるわけですね。

1月20日・21日と連続2日のコンサートでしたが20日(火)に行きました。
フェスティバルホールが建て替え工事で閉鎖中のため、会場は厚生年金。無茶苦茶久しぶりだわ。
しかも今回は3階席です。(ファンクラブじゃなくてぴあで買ったらこんな席になってしまった)

3階中央の席の知人によると一番前は「立つな」と張り紙してあったそうです。事前にそう聞いていたので、1曲目から1階総立ちの中、立てないのはつらいな。中腰って、キツいのよ。

今回は23曲。
ご本人がおっしゃる通り「何も新しいものはございません」でしたが、
楽しみにしていたのは「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」千夜一夜物語でございます。
妖しく美しい詞と曲。大好きなんです。
「野生を呼び覚ませ、月の夜」なんてフレーズがありまして。うふふ。

が! ちょっと、ドームの余韻が残っているのでしょうか? 野生でネイティブアメリカンの霊が
呼び覚まされたのでしょうか? なんかアラビアとは違う方向にいってしまったような気がしました。

全体はかなりロック色が強い構成で、特に「ジェラシーが濡れていく」〜「彼女はデリケート」への流れに快哉を叫びました。「キャ〜!」。

アンコールは3階も後の方は立ってる人もかなりいました。
観客たちは本当にアツかったよ。

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2009.01.14

□チェ 28歳の革命

今年、初の映画です。

とても楽しみにしていました。

あまりにも淡々とすすむものだから、ところどころ寝ちゃってたよ。(^^;) 

まあ、ゲバラを偶像化して、あまりドラマティックに盛り上げるよりは、ずっと好感がもてるのだけれど。
国連での演説シーンは、ここはモノクロで、当時の映像かと思ってしまうくらい、とても迫力がありました。

でも、これはあくまで前編ということで、後編も、もちろん見ます。

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2009.01.01

2008年の読書と映画とetc.

今年は、一言でいうと、Julie Yearでした。
それしかないですね〜。
新年に「前夜祭」ライブを見て「ドーム公演」の話をきいてから、生活は沢田さん一色でした。自宅では、ただひたすら動画を見てたし。(^^;)
というわけで、本は30冊ちょっと。映画も約30本。あとは、沢田研二さんの映像と音楽にどっぷりだったということです。
そして「ジュリー祭り 京セラドーム」参加。6時間半、80曲。ドームに満たされた、あの歌声の素晴らしさ! 至福の時間を体験しました。
2008年11月29日(土)(仏滅じゃないよ〜ん) わたしは、この日を一生忘れないと思います。

とまあそんな2008年でしたが、一応、本は
・ゴールデンスランバー 伊坂幸太郎
・われらが歌うとき リチャード・パワーズ
・出星前夜 飯嶋和一
この3作品が抜きん出て素晴らしかったと思います。

そのほか印象に残ったのは、
「悪人」吉田修一
「消えたカラバッジョ」ジョナサン・ハー
「幻影の書」ポール・オースター
「北東の大地、逃亡の西」 スコット・ウォルブン
「鼓笛隊の襲来」 三浦亜紀
あたりです。
沢田さん関連で読んでみた「あなたがパラダイス」平安寿子は、思いがけず面白かったです。

それから久しぶりの長編で、楽しみにしていた「宿屋めぐり」町田康は、期待ハズレ…。わたしにとってはですが。残念。

あと「クマのプーさん」の作者ミルンと、その息子クリストファーロビンの自伝等を読み、子供の頃を振り返ることができました。
そうそう。飯嶋和一さんの本を全部揃えてしまいました。会社の同僚に貸したら、とても感銘を受けてくれて、全部読む勢いです。もう1人古くからの友人にも薦めたら、やはり夢中になって読んでくれています。 
好きな作家さん(しかも、かなりとっつきにくい)を一緒に楽しめて語り合えるのって、本当に幸せなことだと思います。

映画は
「バンテージポイント」、「クローバーフィールド」などが、思わぬ面白さでした。「バットマン2 ダークナイト」は、わたしにはあんだけ評価が高い理由がわかんなかった。

「アイム・ノット・ゼア」、「エディット・ピアフ 愛の讃歌」、「ルーリード・ベルリン」など、音楽関連映画がよかったなあ。「シャイン・ア・ライト」が昨年中に見られなかったのが残念。ぜひスクリーンで見たいと思います。

邦画では「歓喜の歌」「クライマーズ・ハイ」くらいですね。あまり見られなかったのが残念なり。「おくりびと」はテーマはよかったけど、何かが足りない、または過剰な気がして感動…とはいかなかった。
DVDで見た中では「バベットの晩餐会」、「フィツカラルド」「ユメ十夜」が印象に残ってます。

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