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2008.11.05

■出星前夜 飯嶋和一 小学館

あああ。 よかったです。 なんかね、もう、みなさん読んで! この一言ですわ。
なので、以下蛇足。

キリシタンの反乱と思われてる「島原の乱」は、実は過剰な年貢を取り立てられた農民たちが、虐げられた末の謀反だったということを、飯嶋流の淡々とした筆致で、語られていきます。
有名な天草四郎はほんの一登場人物に過ぎません。
中心人物は、元水軍の勇将でありながら、今は庄屋としてきつい年貢の取り立てにも黙々と従い、そのことで村人からはよく思われていない、鬼塚監物。そして、村に住む南蛮人の血をひく青年、寿安。村の飢饉で、次々と子供たちが死んでいくなか、彼は世の中すべてに絶望している。その彼の絶望が「島原の乱」のきっかけとなるのだけれど。
鬼塚監物の服従は、村人たちを護るためだった。当初反乱を止めるために奔走した監物も、ついに戦の経験を生かし、乱を指導することになる・・・・。そして寿安は、さらに絶望を深めていくのだったが…。

「島原の乱」の結果は、読む前からわかっているわけなので、「神無き月十番目の夜」のように、打ちのめされ、虚しさを感じてしまうのではないだろうか…と思っていたけど、読後は、救いがありました。「出星前夜」というタイトルが光ります。

北村寿安という人物が実在したことを、知りました。大阪で、北村不動としてまつられているのだとか。

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