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2008.06.18

■あなたがパラダイス 平 安寿子 朝日新聞社出版局

この本、週間朝日連載中から話題になってたんですよ。 沢田研二ファンの間で。 そして沢田ファン以外からも結構、評判よいのですよ。
平安寿子さん。読んだことのない作家さんだったので、勝手に「へいあんひさこ」さんだと思っていた・・・すみません。図書館で「は」行の本棚を一生懸命捜してました。たいら あすこさんだそうです。 

で、読み始めたら。面白いです。確かに。
更年期を迎えた40代〜50代の3人の女性が登場するオムニバス形式の小説。それぞれが親の介護など、さまざまな困難を抱えながらも、ジュリーファンって設定。沢田さんが現在まで現役で、毎年アルバムを出してコンサート活動を続けていることが、しっかりアピールされていて、沢田研二広報小説の趣すらあります。

ファンとしてはその辺り、嬉しいけど、そうじゃない人って、引かないかな、とちと心配も。

でも面白いのは、ファンのタイプを書き分けているところなの。

始めに登場する図書館員の独身女性は、タイガース時代からの筋金入りのファンで、空白期間もなく40年以上彼の活動を追っている。
2番目の介護に悩む主婦はタイガース時代の「王子様ジュリー」を夢みていたけど、自身の結婚等でいつの間にかフェイドアウト。
3番目の離婚シングル女性は、上の二人より少し若いまだ40代前半。だから沢田研二のことはもちろん知っているけど、全盛期のパフォーマンスをやりすぎだと思ってあまり興味のなかったという設定。

やっぱりこんな風に分かれるんですよね。特に2番目のフェイドアウトタイプが圧倒的に多い。で、2番目さんが2000年に少し復活した。(と、思う)。 昨年阿久悠追悼で、また少し復活とかね。
わたしも21世紀になって約20年ぶりに、空白期間中の沢田さんを知って、びっくりしたもんね。テレビにはほとんど出なかったけど充実した活動(アルバム、コンサート、芝居、音楽劇)をしていて、しかも凄くクオリティが高かったことに。悔やまれました)

彼女たちの日常のやっかい事、悩みなどを癒してくれることになるのが沢田研二という存在なのですが、文章はテンポがよく、すいすい読めます。沢田ファンじゃなくても親の介護問題など、40代以降の女性にとっては共感できるところは多いし、元気づけてくれる小説でございました。

ちなみに「あなたがパラダイス」は「おまえがパラダイス」という沢田さんのヒット曲(そこそこ?)のタイトルより。

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