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April 2008

2008.04.30

□アイム・ノット・ゼア

29日の祝日がレディースデイだったので、神戸で2本はしごしてきました。
1本目は「アイム・ノット・ゼア」 シネカノン
さすがに、わたしも含めて中高年の方が多かったです。

なんだか、60年代のフランス映画を見た時のような感じだったなあ。
ボブ・ディランを6人の役者が演じ、時系列もバラバラに、イメージ、独白、ドキュメンタリータッチと
ディランの多面性を表現しようとしているのだった。
特にファンというほどではないのだけど、若い時はジョーン・バエズと一緒にコンサートに一緒に出ていたとか、
突然フォークを捨て、ロックに転向してブーイングを浴びたとか、イーディーとの恋愛、顔を白塗りにして登場したエピソード、映画「ビリー・ザ・キッド」に出演したこと・・・なんて話は、それなりに知っていたのけど、多分、知識がないと、意味不明なところも多いかもしれない。

それにしても、このように多面体で描いても、「アイム・ノット・ゼア」というタイトル通り、ディランをとらえることは出来ない、ということなのね。
その辺りも、突き放したようなフランス映画的な感じがしました。

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2008.04.23

■ブランケットキャッツ 重松清 朝日新聞社

2泊3日でレンタル猫を借りる人々。借りる人には、それぞれのワケがある。子供の出来ない夫婦、リストラされたお父さん、フリーターの若者・・・。

重松作品らしい、心温まる連作短編なんだけど、正直言って、なんでレンタル猫?
猫好きなんで、気になって読んだけど、猫があまりにも猫らしくない行動をしすぎなので、
(ご都合主義)なんだか、わざとらしくて、ちょっと不快になった。

いや、いい話なんですよ。どれも。でもね。別に猫を出してこなくても、十分書ける話じゃないかと思ってしまう。
というか、重松さんなら書けるのに。
猫を出しとけばいいだろうというイージー感が、猫をダシにされているようで、ちょっとイヤでしたね。

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2008.04.20

■ゴールデンスランバー  伊坂幸太郎  新潮社

頭の中を、ビートルズのゴールデンスランバーが駆け巡る。

伊坂幸太郎、現時点での集大成という帯のうたい文句通り、堪能しました。

キャラクターの配置、会話の妙、張り巡らせれた伏線など、彼のエッセンスが詰まっています。

「オーデュボンの祈り」が実は一番好きなわたしとしては、(2番目がラッシュライフ)久々に大満足できるボリュームでした。この人は長編がいいんだと、思います。

たいへんよくできました!

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2008.04.17

□魔法にかけられて

ディズニーアニメのヒロインが、現代のニューヨークに迷い込んだら? というアイディアは、うまくいけば爆発的に面白いに違いない! と思っていきました。
でも、まあ、さすがディズニー。予想を上回る展開はなくて、予定調和的に、めでたしめでたしのHappy Endingでしたね。 いやあ、それでいいんですけどね。むしろおとぎの世界をリアルワールドに敷衍しちゃったわけだから、じつはとても正統的なディズニー映画だったわけですね。

もうちょっとNYとおとぎの世界のギャップに、ヒロインのジゼルや王子がとまどうあたりがあれば、さらに面白かったと思うのだけど、まあ、ディズニーとしてはコメディ映画のつもりではないからでしょう。
正直、見て損したとは思わなかったけど、別に見なくてもよかったかも・・・という気もします。

よかったところは
子供の時、以来ディズニーアニメをみたのは久々。オープニングのアニメは懐かしいタッチで、心癒されたといえば癒されたかも。そしてさすがに、ミュージカル部分の歌はとてもクオリティが高いですね。
スーザン・サランドンの魔女もお似合いでした。(^^;)

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2008.04.15

■ゴッドスター 古川日出男 

うううん。はじまりはすごくいい感じだったけど、後半はちょっとついていけないなあ。
いまだ模索中って感じだよ。

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2008.04.14

■ボトルネック 米澤穂信 新潮社

東尋坊で亡くなった恋人を弔いにきた高校生の「僕」。家族も崩壊寸前、しかも兄まで事故死するという状況。崖でめまいにおそわれ、ふと気づくと、別の世界に紛れ込んでいた。 その世界では「生まれなかった姉」が存在していたのだった。そこは家庭円満、恋人であった少女も、兄も無事。 つまり「僕」がいなければ、全てうまくいくということなのか・・・・?

うーん。会社の同僚が貸してくれたので、初めて読んだ作家さんなのですが。
なんだか「若い」というか「青い」というか・・・・。
明るいばかりが青春じゃないというのはわかるけど、「全部、何もかも僕のせい」という、
一過性のひとりよがりの考え方についていけませんでした。

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2008.04.11

□クローバーフィールド

なかなか面白かったです。
NYの街が「何者か」に突然、襲われる。無差別に破壊と殺戮を繰り広げる、恐ろしい巨大な「何者か」。
破壊され、崩れ落ちるビル群、怯え、逃げ惑う人々。つまりパニック映画なのだけど、これを一人称の視点で描いたというところが新鮮。
 パーティをハンディビデオで撮影していたところに、事件が起こったという設定で、ビデオ撮影の青年と友人たちが、逃げるところを記録していくという体裁になっている。
素人のブレまくった映像が実にリアルで、その場に居合わせているような臨場感を感じさせるのです。ヒーロー的な人物がいなくて、出演者が知らない役者ばかりなのもリアリティがありますね。
9・11の時の状況ってこんなだったのでは、と思わせます。

ところで「何者か」の姿が最後の方で、全体像が見えるのだけど、あれは無い方がよかったのでは? 
続編も考えられているんだろうけど、このままで終わった方が絶対いいよ〜というか、続編は見ないと思う。

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2008.04.03

■yom yom

会社の同僚が 小野不由美「十二国記」の新作が出たよと貸してくれました。
色んな作家の短編やエッセイが載っていて、結構お得感ありますね。

重松清「にんじん」
角田光代「浮き雲」(この作品、あーなんだか絲山秋子と混同してしまいそう・・・。似てないか?)
山本文緒「ネロリ」 は後半に意外な関係が浮かび上がってきて、驚く。この人らしいなあ。
川上弘美「どこから行っても遠い町」
あたりが印象に残りました。


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2008.04.01

■消えたカラヴァッジョ  ジョナサ・ハー 岩波書店

17世紀初頭のイタリアバロック期の天才画家、カラヴァッジョ。類いまれな画才をもちながら、放蕩と喧嘩を繰り返し、ついに殺人犯となり、逃亡中に死亡という、波瀾万丈の生涯。この人自身の生涯も面白くて、デレク・ジャーマンによって映画化もされていますが、この本はカラヴァッジョの行方不明となった作品が発見されるまでを追ったノンフィクションです。
カラバッジョは一時期、評価が著しく貶められ、それゆえ作品の多くが失われてしまっているのだそう。中には別の画家の作品として伝えられていたり。美術界では真贋論争がしょっちゅう起こっているようです。

さて、そんな中、1990年頃、イタリアの美術史専攻女子大生(院生)フランチェスカが、カラヴァッジョ作品の調査中に行方不明とされている「キリストの捕縛」がイタリア貴族からイギリスへ売却されたととれる資料を見つける。一方アイルランドの美術館で絵画の修復を行っているイタリア人ベネデッティは、教会から修復を頼まれた絵の中に、ひときわ素晴らしい作品をみつける・・・。
ノンフィクションなのですが、まるでミステリーを読んでいるみたい。フランチェスカが資料に埋もれて来歴をみつける過程も、修復師が絵画を修復していく過程も、いずれもとてもスリリング。そして二人をつなぐことになるカラヴァッジョの権威である美術評論家サー・デニスの存在。
もちろんすべて実在の人物なのだけれど、それぞれ強烈なキャラクターなうえ、出来すぎなくらいの人物配置で、まさに「事実は小説よりも・・・」でございます。

あと、フランチェスカがイギリスに調査に行った時に、たった30年ほど前の資料がないとわかった時の言葉が印象的です。
「イタリアでは少なくとも五百年前までは、どんな書類や記録でもちゃんと保存しているわよ!」
いやー、イタリア。ちゃらんぽらんに見えても、歴史というか過去の遺産に関する敬意はさすがですね。

ほんとにこれは面白いよ〜。 おすすめいたします。


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