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June 2007

2007.06.29

■アーサー王物語 III

引き続き読んでいます。
2巻は誰も借りてなかったのに、3巻は借りている人がいた。なぜこれだけ読もうとしたのか? きっと帯に「トリストラムとイソード至純の愛」って書いてあったからに違いないと思う。

しかし読んでみると、まだ二人の物語は完結していないのだった。 で、結局中身は相変わらず、円卓の騎士たちが戦っているだけといっていいでしょう。旅の途中、遍歴の騎士たちが出会って戦うというのもあれば、各地の王たちが主催する「馬上槍試合大会」などに参加して栄誉を得るという時もあります。

この時代は当たり前だけど、写真も何もないので「有名」なのは名前だけなんだよね。顔は知らないし、顔を知ってはいても兜をかぶれば誰だかわからない。だから戦いの場で相手がわからないときがある。これはまあ、納得。
でも読んでると、兜を取って何度も会っている人でも「お名前を」「私は○○です」「おお!兄よ」ってな会話があったりするんです。なぜ、兄がわからない(^^;)
トリスタンとラーンスロットもアーサー王も、しょっちゅう顔を合わせてるんですが、なぜか「お前はだれだ?」「いや、今は名乗れませぬ」みたいな会話があったりして。この時代の人々は「顔」に対する認知能力が異常に低く描かれています・・・。もう、コメディとしか思えない。
アーサー王も、自分ちの円卓の騎士なんだから、顔くらい覚えておけよ・・・と。

それにしても、この巻の陰の主役はパロミデス卿ですね。この人はトリスタンの恋人イソードに片思いしてるんです。彼は可哀想ですよ〜。トリスタンとイソードは、色々あったけれど、現在のところラーンスロットの館で二人楽しく暮らしてるんですが、パロミデスは、イソードに手も触れることができないほどの純愛で、悶々としている。
で、ひとり泣きながら森で彼女への思いを詩に託し、大声で吟じていると、トリスタンに立ち聞きされちゃったりします。

つづく・・・・・

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2007.06.23

□ブライアン・ジョーンズ 〜ストーンズから消えた男〜

まあ、特にストーンズのファンってわけではありませんし、ブライアン・ジョーンズもそれほど興味はなかったんですが、すごい「カリスマ」性のある人だったといわれてた。
映画では、それがあんまり感じられない。単なるわがままで女好きで、麻薬中毒。こんなやつどーしょうもないんじゃない? と思わせられたよ。

ブライアンの家の改装に呼ばれた建築業者が実に冴えない、おじさんで、このキャラクターは一体なんのため?と思っていたら、あっと驚きのオチがありました。

全体に60年代の雰囲気は出てたように思うので、風俗的に楽しむことはできるかな。

キース・リチャーズ役の男の子、なんだか、見たことある〜と思ったら、なんと「パフューム」の天才調香師グルヌイユ君だった(笑)  

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2007.06.22

■メタボラ 桐野夏生 朝日新聞出版

沖縄のジャングルの中、ひたすら逃げる「僕」。何から逃げているのか、自分は何者なのか記憶を失い
名無しの「僕」がアキンツにギンジという名をもらい、徐々に新しい自分を作っていく過程は非常に面白い。
アキンツという宮古島出身の青年の底抜けに明るいキャラクターが素晴らしい。

後半はギンジが記憶を取り戻し、彼が捨てたかった過去の回想になってくると、様相が一変。
ニート、ワーキングプアの青年たちの話になってくる。
地方の工場で作業と寮生活の部分は、OUTの弁当工場を思い出すけど、もっと息苦しいですね。

さまざまな問題がてんこ盛りのストーリーで、後半は中途半端な感じがしてしまう。
最後のアキンツ、あれはないよねー。ちょっと哀しすぎる。

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2007.06.17

□マッチポイント

うーん、随分評判がよかった映画でしたが、わたしは?  
金持ちの娘と結婚した青年とその愛人の3角関係。愛人の妊娠が発覚し、青年は愛人を殺害する。
「陽の当たる場所」「青春の蹉跌」など、よくある話で、この古典的なストーリーのラストをひねっただけじゃないの?  ウディ・アレンぽくないよー。

ジョナサン・リース・マイヤーズはなんだかキーファ・サザーランドに見えたよ。

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2007.06.15

■アーサー王物語 I ・II  筑摩書房

えーと全5巻のうち2巻読みました。

完訳、ビアズリーの挿絵付きというのでワクワクしながら読み始めたんだけど。

1巻目の感想はえええ〜! こんな展開なのぉ? なんていうか、心理描写がないんですね、この時代の物語って。まさしく物語であって、出来事がえんえんと連なっているだけ。しかもただ騎士同士が戦い、時に魔法にかけられ、時に裏切り、恋をし・・・なんだけど特に恋をするのに心理描写がないので、もう短絡的にもほどがありますぜ。(^_^;
全巻読めるのか、不安・・・・というものだったのですが、とりあえずトリスタンとイゾルデの物語は確認したかったので、頑張ってIIに取りかかりました。

で、II はちょっとマシです。 会話が多くなって、少しは登場人物の感情が表現されるようになってます。(とはいえ、ものすごく訳が硬くて、ちょっと笑っちゃいそう)
しかし、この時代の人々の行動原理がよくわかりません。

しょっぱなはボーメインって騎士が出てくるんだけど、身分を隠してアーサー王のもとへ往き「一年間、腹一杯食べさせてくれ」と願うのね。一年後、アーサー王に悪人を退治してほしいと助けを求めてきた乙女の要請に志願して冒険に出かける、という話。 実はボーメイン、円卓の騎士の中でも有名人のひとりであるガウェインと兄弟なのだけど、身分を隠す理由も、しかも兄のガウェインは、ずっと側にいるのに弟であることに全く気づかないというのが謎なんだよなー。
乙女と冒険に出かける道中、乙女はひたすらボーメインをののしり続けてるのが可笑しい。ボーメインは「きれいな手」という意味で、本名を名乗らない彼にこんなあだ名をつけたのがケイ卿。この人はアーサー王の一番古い家臣だけど、かなりおっちょこちょいな言動で、苦笑してしまう。

いや、なんだか、だんだんハマってきたような・・・。 というか、久しぶりにとても長い文を書いてるなあ。

まあ、ボーメインの物語はかなりのハッピーエンドで終るのだけど、トリスタンとイゾルデのストーリーは次巻に続き。途中、気がふれたトリスタンが裸で村を駆け回っているエピソードとか、こちらも笑えます。(いや、そういう物語ではないんだけど・・・)

つづく・・・・。

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2007.06.13

□キンキー・ブーツ

経営不振の紳士靴メーカーを引き継いだ4代目の若社長、一発逆転、再起をかけてドラッグクイーン向けのセクシーなブーツを作り始めるが・・・。
ま、よくある話といえばよくある話ですが、これ実話がベースになってるそうです。

とりあえず靴好きのわたしには、英国製正統的紳士靴の製造過程が見られて、ワクワク。 
工場のロケはなんとトリッカーズで行われたんだって! 

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2007.06.07

■小説 こちら葛飾区亀有公園前派出所 集英社

面白〜い! これ。
誰もが知っている(と思う)漫画「こち亀」と人気作家のコラボレーション!(笑) 「こち亀」連載30周年記念企画だそうです。
作家は大沢在昌、石田衣良、今野敏、柴田よしき、京極夏彦、逢坂剛、東野圭吾という顔ぶれ。人気シリーズのキャラたち、鮫島、マコト、花咲、古本屋(^^;)と両津巡査の競演は大成功です。
わたしは特に愛読者ってわけではないけど、なんとなく漫画のキャラクターは知ってる程度でもかなり面白い。
それぞれの作家が自分の物語に、うまく両津の個性を取り込んでいて、どちらのファンにも楽しめると思います。それにしても作家さんたちもみんな「こち亀」が好きなんでしょうね。

各作家の両津の描写を比較するのも面白いよー。
「岩を彫ったような顔立ちで太い眉がつながっている」(大沢)
「なにより目立つのは人間のものとは思えない肩幅と顔のでかさ」(石田)
「眉毛がつながった、濃いおっさん。全体の雰囲気がレトロである。立ち上がるときっとがに股だ」(柴田)
「濃い眉毛が数字の3を左へ90度寝かせたような格好で目の上にかぶさっている」(逢坂)


今野敏さんと逢阪剛さんは初めて読んだんですが、プラモ好きの面をクローズアップした今野敏さんの作品が面白かった。京極夏彦は、関口くん他の面々の近況がわかりますよん。


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2007.06.06

□バベル

今週で終わりなので、見てきた。

意外や意外、ブラッドピットが結構よかった。私はブラッドピットの映画をほとんど見たこと無いのだけど、これって、老けメイクしてるよね? 前半と後半の息子との電話のシーンの見せ方はうまかったね。
ベビーシッターのアメリアさん、可哀そすぎです・・・。(涙)

これ、ライフルの出所が日本って意味があったのだろうか? なんだか日本パートが妙にういてたように思う。
日本パートは独立した話としてはとても興味深かったんだけど、役所広司がモロッコまでハンティングに行くような人に見えないし、菊池凛子の役も聾唖である意味があんまりわからん。全体のつながりとしてね。
このパートだけ単独の話にしたほうがよかったと思う。
それから30階の高層マンションのベランダがあんなに無防備でよいのか・・・・? すごく疑問

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■文学刑事 サーズデイ・ネクスト 3 「誰がゴドーを殺したの」 ジャスパー・フォード  ヴィレッジブック社

待ってました〜! 文学刑事サーズデイ・ネクストの新刊登場!  このシリーズ大好きです。 
図書館で見つけて、ワクワクしながら借りてきました。

ストーリーは・・・うまく説明できないです。 ブックワールド、文字通り本の世界に入り込んだサーズデイが、あらゆる小説の登場人物と巻き起こす破天荒な物語としか。
ブックワールド内部の世界観がいちいち面白いのだ。特に「ジェネリック」という名無しさんたちの存在。名前もなく、性別すら不明の脇役「IbbとObb」がどんどん進化して「人物」らしくなっていく過程が見所のひとつ。
1作目は「ジェイン・エア」誘拐事件がおこったこれど、こちらは「嵐が丘」の登場人物が続々登場。「狂乱ロマンチック主人公賞」を77回も受賞しているヒースクリフとか、激情カウンセリングセッションで不満をぶちまけるキャシーやヒンドリーたちの章には大笑い。
3ではBOOKオペレーティングシステム「ウルトラワード」の導入をめぐる陰謀が一大事件となってくるのだけど、このウルトラワードの機能もメチャクチャ可笑しいのです。
とにかくいちいち挙げてたらキリがないほど、細部にわたって面白い。本好きさんにはたまらないはずです。

まだまだシリーズは続くようなので、楽しみ楽しみ。

ただし上下巻に分冊されて1冊2600円だよう〜! 計5200円って高すぎませんか? 図書館で借りたからいいんですけど・・・。

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