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2005.11.02

■万年東一 宮崎学 角川書店

宮崎学さんの著作で名前は知っていた万年東一をモデルにした小説だ。面白い、面白い。ほとんど一気読みでした。
万年東一は「愚連隊の神様」と呼ばれた傑物で、まさに弱きを助け、強気をくじくを地でいく人物。右翼も左翼も、国籍も関係なく「信念に命を懸ける人」を愛し、金もうけに奔走する奴らを徹底的に憎む。腕っぷしと度胸は並外れていて、お洒落で、女にもてて、そのくせ、お酒が飲めなくて汁粉やあんみつやチョコレートパフェが好物という可愛いところがあって(笑)男も女も魅入られてしまうのだ。
上下巻だけど、特に上巻の万年20代の日本と中国でのエピソードの数々があきれるほど豪胆で、面白い。下巻は戦後のわたし達も知ってる政商たちとの抗争が中心となってきて興味深い。でもどんどん万年自身も感じている逼塞感のようなものに覆われてきて、ちょっと息苦しさも感じるのだけど。ラストが爽やかで救われます。

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