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2005.05.18

■砂漠の船 篠田節子 双葉社

幹郎はニュータウンに暮らす、運送会社の40代のサラリーマンだ。妻は百貨店勤務、娘は公立高校に通う。青森出身の幹郎は、幼い頃父母が出稼ぎにいき、淋しい思いをしたという過去から、出世よりも地元密着で家族を大切にしていきたいと考える。
しかし、近所で起こったホームレス死亡事件をきっかけに、家族は少しずつ崩壊していく。
妻は「女ではなく妻らしく」、娘は「平凡で人の役に立つ人間に育ってほしい」という幹雄の独善的なファミリー幻想が、ばきばきばきと崩されていく様が非常にリアルであります。

一見理想的な夫、父であるように見えて、こういう勘違い人間って多いんだろうなあ。
でも、育った環境を考えると、こう考えるのも無理からぬところ・・と同情心も起こります。
そして、昔を思い起こせば、娘の気持ちも痛いほどわかるし。
妻の側に立てば、結局、鈍感すぎる男のような気もします。
いや〜とにかく、大変ですよね、40代って。お子様のいる方に、ご一読をおすすめします。

※主人公の名前「幹郎」って、なんだか読みにくくないですか? わたしどうしても「幹部」と読んでしまいそうになりました。

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