« April 2005 | Main | June 2005 »

May 2005

2005.05.31

■樒/榁 殊能 将之 講談社ノベルス

う、薄っ! 
もしかして、京極夏彦のシリーズがどんどん分厚くなるのに対抗して、どんどん薄くするという戦略なのか?
内容は、はあ、そうですか・・・って感じですね。

|

2005.05.30

■目には見えない何か  パトリシア・ハイスミス 河出書房新社

ハイスミスの1952年〜1982年に書かれた14篇の短編集。基本的にアイロニーの効いた作品が多いけれど、ちょっぴり癒し系の作品などもあり、それぞれ味わい深いです。
特によかったのは「ミセス・ブリンの困ったところ、世界の困ったところ」「人間の最良の友」「手持ちの鳥」「生まれながらの失敗者」あたりかな。

|

2005.05.23

■鏡の中は日曜日?殊能 将之 講談社ノベルス

え、これはまた、えらく凝った構成ですね。はじまりはかなり思わせぶりでしたが。
正直言って、作品としての読みごたえはほとんどないです。「本格推理」のパロディってことでよいのでしょうか。
って、他の作品もみんなそうだね。
でも結局、このトリックってデビュー作と一緒なんじゃないの???

|

2005.05.20

■魂萌え! 桐野夏生 毎日新聞社

還暦を前に、突然夫に先立たれた敏子。専業主婦で、おとなしい彼女は途方にくれるが、娘と息子は頼れそうもない。しかも葬式の後、夫に愛人がいたことが発覚し・・・。

これはすごい作品ですね。桐野さんの新境地です。ごくごく平凡な日常。犯罪も殺人も鬼畜な人間(笑)も出てこない。でも、このちょっと世間知らずな敏子が家庭以外の世界と向き合い、独り立ちしていく過程には、本当にはらはらさせられ、目が離せないのです。
それにしても歳をとったら、もっと「枯れる」かと思っていたけど、全然そうじゃないのね。食欲も性欲も物欲も消滅しないんだ。煩悩がいっぱい。
わたしの老後は「ふろ婆さん」に近いかなあと・・・・・。

|

2005.05.18

■砂漠の船 篠田節子 双葉社

幹郎はニュータウンに暮らす、運送会社の40代のサラリーマンだ。妻は百貨店勤務、娘は公立高校に通う。青森出身の幹郎は、幼い頃父母が出稼ぎにいき、淋しい思いをしたという過去から、出世よりも地元密着で家族を大切にしていきたいと考える。
しかし、近所で起こったホームレス死亡事件をきっかけに、家族は少しずつ崩壊していく。
妻は「女ではなく妻らしく」、娘は「平凡で人の役に立つ人間に育ってほしい」という幹雄の独善的なファミリー幻想が、ばきばきばきと崩されていく様が非常にリアルであります。

一見理想的な夫、父であるように見えて、こういう勘違い人間って多いんだろうなあ。
でも、育った環境を考えると、こう考えるのも無理からぬところ・・と同情心も起こります。
そして、昔を思い起こせば、娘の気持ちも痛いほどわかるし。
妻の側に立てば、結局、鈍感すぎる男のような気もします。
いや〜とにかく、大変ですよね、40代って。お子様のいる方に、ご一読をおすすめします。

※主人公の名前「幹郎」って、なんだか読みにくくないですか? わたしどうしても「幹部」と読んでしまいそうになりました。

|

2005.05.16

■ダブルプレー ロバート・B・パーカー 早川書房

黒人初の大リーガー、ジャッキー・ロビンソンと、そのボディガードであるバークの寡黙な男と男の友情・・・・なんでしょうね。
良い話しなんでしょうけど、個人的にはあまり面白く感じなかったです。
合間にはさまれる「ボビー少年」のエピソード。なるほど。パーカーがこの話しを書きたかったのはよくわかりました。

|

2005.05.13

■明日の記憶 萩原浩 光文社

以前から本好き仲間の話題になっていた本でした。若年性アルツハイマーになった、広告会社の営業部長。50歳。最初は歳のせいで物忘れがひどくなった・・・という程度から始まって、次第に約束を忘れたり、迷子になったり、親しい人の顔まで忘れていくようになる過程を克明に綴っている。
しかし最後は非常に美しい終わり方だ。ちょっと中途半端? こんなに克明なのに、最後はファンタジー?という気もしました。一人称で書かれている限り、こういう終わりにならざるを得ないのかもしれないけど、これが妻側からかかれていたら、最後はかなり悲惨な状態になっていたんだろうな・・とか思ったり。
期待しすぎてたせいかな〜。

私はむしろ、会社での人間関係や仕事のやりとりが、本筋とは別に面白かったけど。
それから陶芸の先生(師匠ではなく)のキャラクターのリアリティがありすぎて、すごいのではないだろうか・・・とか。

|

2005.05.09

■コールドゲーム 萩原浩 講談社

タイトルを見たときは、爽やか高校野球物か・・と思ったけど、全然違う。 
中学生の時にいじめられた子が4年経った高校3年生の時、いじめた同級生に復讐をはじめるというもの。
萩原さんの高校生を主人公にした作品は、以前読んだ「噂」もそうだったが、他のものとは少し雰囲気が違う。なぜだかホラーに近くなっていくのだ・・・。

|

2005.05.06

■いとしのヒナゴン 重松清 文藝春秋

ある中国地方の小さな町を舞台に、元暴走族の型破り町長とその仲間、都会から一時帰郷しているコピーライター志願の女性と幼馴染が、幻の珍獣「ヒナゴン」を巡って大騒動の顛末。
うん、面白いのです。田舎町にありがちな人間関係と市町村の合併問題がからまって町が分裂し、またまとまっていく様が実に感動的に描かれています。
物すごく登場人物は多いのだけど、それぞれの個性がかき分けられているのは職人芸です。様々な思惑が重なりあいながらなだれこんでいく一大クライマックスの町長選の演説会では思わず涙しそうになります。
しかし、重松清さん、あまりにも上手い。上手すぎて、奇麗すぎて、ちょっと白けるところもあるのですわ。何か一時の浅田次郎のような・・・。

これ、映画化されてもうすぐ公開らしい。キャストを見たら、なかなかハマってる感じ。多分見ないけど。

|

« April 2005 | Main | June 2005 »