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2005.03.10

■アラスカ物語 新田次郎 新潮文庫

廣川まさきさんの「ウーマン・アローン」。彼女がアラスカに行くきっかけとなったのがこの書のモデルとなったフランク安田という人物に魅せられたからだときいて、読んでみました。 タイトルは知っていたけど、ずっとアラスカ犬の話しだと思い込んでいたのです。(^_^;)
フランク安田さんという人は、明治時代に岩手の名家に生まれたものの15歳で両親を亡くし、外国船の船員となってアメリカへ渡り、エスキモーたちのリーダーとなった人。乱獲が原因で捕鯨ができなくなった海岸部に住むエスキモーたちを率いて内陸に移住させ「アラスカのモーゼ」といわれた人物。
氷海で立ち往生する密漁監視船から助けをもとめてひとりアラスカの氷原を行く冒頭から、抑制のきいたしかし丹念な描写でぐいぐいフランクという人物に引き込まれていく。妻ネビロ、金鉱師カーター、インディアンと暮らすジョージ大倉という日本人など、周囲の人物もまた魅力的だ。
それにしても氷原を1週間さまよい生還したり、金鉱を発掘するなんて、奇跡としか思えないことが2度も起こるというのはこの人の運なのか、粘り強さの賜物なのか。何にしろ凄い人物でした。フランク安田さんの偉業は語り継がれなくてはいけないと思います。

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