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December 2004

2004.12.28

■ダ・ヴィンチ・コード ダン・ブラウン 角川書店

言わずと知れたベストセラー「ダ・ヴィンチ・コード」です。ルーブル美術館の館長が何者かに殺害された。彼はいまわに奇妙なダイイングメッセージを残していた。千年以上も守られてきた「聖杯の真実」を伝えるために、彼は孫娘の暗号捜査官ソフィアとハーヴァード大学宗教象徴学教授に暗号をたくしたのだが、教授はそのため、追われるはめに陥る。
上巻は退屈です。館長の死に際というのがちょっと想像すると、わははなのです。瀕死の状態でそんなあんなこんなことやれるか〜? と突っ込みいれまくりだし、暗号捜査官のくせにソフィはあんまり賢くないしさあ。でも下巻になると、結構面白くなりました。「最後の晩餐」の謎に関してはほほ〜、と思いました。ネットで絵を確認してみると確かにヨハネとされている人はどうみても・・。(小ヤコブも怪しいんですけど)
ま、とにかく一神教ってのはやっぱり問題だなあと思ってみる。やっぱり八百万の神様ですよ。うん。

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2004.12.25

○師走 Romantix

クリスマス当日の本日、沢田研二のコンサート「師走 Romantix」が東京国際フォーラムで行われました。来年の正月公演が、前倒しになって、奇しくもクリスマス当日に東京公演と相成ったのです。(でもわたしが見たのは12月18日の大阪フェスティバルホール)
久々にキーボード(深町純さんでした)が参加するということで、結構懐かしめの曲をやってくれるのかと思っていたのですが、とんでもない。多分ファン以外は1曲(「危険なふたり」)くらいしか知ってる曲がなかったのではないでしょうか。強気だわー。前半はここ1〜2年に出たアルバムの曲で飛ばしてくれます。ちょっと唖然とする展開。しかし中盤ピアノだけで歌った3曲は感涙でした。特に「遠い夜明け」という歌には涙が出てしまいました。こんな(意味の)歌詞。
「したたかにやることは僕にはできない。誰よりも生きにくいルートを僕は選んだ。幸運が幸せの全てだというなら、僕はもう、こんなに心さらして歌わない」
これを不意打ちで聴くと、歌詞の内容に愕然としてしまう。本当に沢田研二という人はなんて生きにくい道を選んだんだろうって思う。

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2004.12.20

■炎に消えた名画 チャールズ・ウィルフォード 扶桑社ミステリ

批評家さんというのはよく自分で作品を作るわけでもないのに、作品についてどうたらこうたら言う資格はない、なんて批判されたりして大変だと思うけど、やっぱり評論というのは一種の芸だよねと思う。モダンアートの生ける伝説ドゥビエリュー氏のインタビューの機会を交換条件に、作品を盗んでくるように持ちかけられた新進の評論家が選んだ道は・・。
ドゥビエリューの人物像、作品論にかなりの部分が費やされているけど、考えようによっては作品だけでは価値があるのかないのかわからない、つまり「評論」がなければ評価されにくいモダンアートを皮肉っているようにも思える。描かれない作品が一番の傑作なのだということなのか・・・。同時に評論家の自己完結っぷりも嘲っている。なんか妙に哲学っぽい小説でした。

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■嘘猫 浅暮三文 光文社文庫

この方の本は初読みです。1960年前後に生まれて、東京でコピーライターを経て作家になった。(奥田英朗氏と似た経歴ですね)その自伝的青春記です。浅暮氏の場合、下宿先に住み着いた猫との交流が軸になっています。これは猫を飼ったことがある人なら誰でも「そうそうそう〜」と目を細目ながら読んでしまうと思います。小猫時代から、成年になっていく猫の描写のいちいちに自分ちの猫を思い出し、浅暮氏自身の仕事での成長を読んで我が身を振り返り・・・・まあそんな小説です。

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2004.12.16

■コンスエラ ダン・ローズ アンドリュープレス

昨年一番衝撃を受けた小説「ティモ・レオン」。これはそのダン・ローズのデビュー作で短編集です。純粋な愛の物語が7編。もっちろん「ティモ・レオン」の作者です。普通じゃありません。ストーカー愛です。狂気の愛です。または究極の愛なのかも。愛は惜しみなく与えるです。「愛は痛い」です。はあ・・・・。
特によかったのが「ヴィオロン・チェロ」。愛する女性との究極の一体化を望んだ青年の物語。官能的で、残酷。しかし淡々とした語り口がどこかユーモラスな雰囲気を与えております。タイトル作「コンスエラ」の展開にはちょっと笑えます。でも感動作ですよお。
年末にまたすごいもん読んじゃったよお。ダン・ローズには脱帽です。好きな作家の殿堂入りです。

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2004.12.15

□飛ぶ教室

そういえば見たのでした。 ケストナーの「飛ぶ教室」は私の小学生時代に読んだ最愛の物語のひとつです。ドイツの寄宿学校で暮らす少年たちの友情の物語。孤児で船長が里親のヨナタン、貧しいけど優等生で母思いのマルチン、天才少年セバスチアン、食いしん坊のマッツ、弱虫ウィリーという5人の少年と、思いやりのあるベック先生、そして禁煙車に住んでいる禁煙先生。それからクロイツカム校長に、上級生の気取り屋テオ。という具合に登場人物それぞれの個性が際立っているのがこの物語の魅力。そしてクライマックスに上演される劇が「飛ぶ教室」というわけなのだ。映画は舞台を現代に移しているが、子役たちがあまりにもハマり役で驚いた。昔読んだイメージがほとんど裏切られることはありませんでした。ただなあ、やっぱり最後の劇がヒップホップになっているのはちょっと・・・。でも親子揃って見るにはとってもいい映画かもしれません。

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2004.12.14

■百年の誤読 岡野宏文 豊崎由美 ぴあ

うひゃひゃ、面白かったわ〜。ここ100年の日本のベストセラー100冊を取り上げた書評対談。バッサバッサと斬り捨てるおふたりの毒舌ぶりが素晴らしい。これは芸ですねえ。全編通して笑いっぱなしです。脚注でも掛け合い漫才がしばしば見られるので、隅々まで楽しめます。
それにしてもわたしベストセラーって読んでないわー。「細雪」「楢山節考」「赤ずきんちゃん気をつけて」「限りなく透明に近いブルー」「なんとなくクリスタル」「マディソン郡の橋」ぐらいです。最後の二つは何故か友人に「どう思う?」と押し付けられて読まされた本(笑) 豊崎氏とおんなじように投げ捨てそうになりましたが。(借り物だからやってないけど)

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2004.12.10

■犬は勘定に入れません コニー・ウィリス 早川書房

「ドゥームズデイブック」「航路」を読んで、この人とは相性悪い、もう読まないと決心していたのですが、このタイトルは「ボートの三人男」の副題を拝借しているというではないですか。「ボートの三人男」といえば、私が小学生の時世界名作全集に収録されていて大好きだった作品です。(大人になって丸谷才一訳も読んだ)ということで興味を引かれ、たまたま図書館で入手できたので借りてみました。
上記2作に比べれば、随分イライラが少なくて済みました(笑) 「ドゥームズデイ」の姉妹編といった感じのタイムトラベルものだけれど、行き先が前作がペスト流行中の暗黒の中世、今回はビクトリア時代という違いのせいか、全体にのんびりムードで時代の雰囲気を楽しむことができました。それから猫ちゃん(プリンセス・アージュマンド)が生意気で可愛らしくて、それだけで顔をゆるませながら読んでしまいましたわ。(猫を見ると、でれでれになるトシーちゃんのように)

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2004.12.07

□バンガーシスターズ

ゴールディー・ホーン、スーザン・サランドンに加えてジェフリー・ラッシュとアカデミー賞俳優を3人揃えた豪華配役。でもお話しはB級。
元グルーピーのスゼット(ゴールディー)とヴィニー(スーザン)だが、スゼットはロッククラブのウエイトレスとして、ロックな生活を続け、ヴィニーは転向して弁護士夫人となってしまった。失業したスゼットはヴィニーに会いにゆくが・・・。まあ、お二人ともなかなかのハマり役です。スタイルよろしいですね。ただ弁護士夫人として超コンサバ生活を送るヴィニーが家族に過去を知られるのを恐れてスゼットを追い返そうとするのだけど、途中から心変わりして、昔のようにはしゃぎ回る。その心変わりのきっかけというのが、もうひとつわかりません。その辺りは都合よすぎ。
とはいえ、コネタはそこそこ面白く「どうせ私はベージュの女よ!!」流れてくる曲はボウイ、ドアーズなどウフフなものが多いので、それなりに楽しめました。ジェフリー・ラッシュのダンスも見られるし(笑)でも正直いって彼が出る必要はあったのかと思いました。

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2004.12.03

■文学刑事 サーズデイ・ネクスト2 さらば大鴉 ジャスパー・フォード ソニーマガジンズ

というわけで(2)を読んでみました。めでたく結ばれたサーズデイとランデン。しかし「大鴉」に閉じこめられたジャック・シットを取り戻すために、ゴライアス社はサーズデイにとんでもない脅しをかけてくるのだった。
(2)の方が評判いいみたいだけど、わたしは(1)の方が面白かったなあ。「ジェーン・エア」とサーズデイ、ランデンの物語がうまくシンクロしてて、ジェーン・エアでの登場人物での会話などは随分と面白かったのだけど、こちらは全体に散漫な感じがいたしました。今回は全ての本を含む「物語世界」という存在が出てきて「不思議の国のアリス」よろしくサーズデイはブックジャンプしてその中に入っていくのです。グラビティチューブ(地球を貫通している)でオオサカにまで行ったり、時間旅行をしたりかなり飛び回っている割には、彼女のアクションが少ないです。(やっぱ妊娠しているから?)
アシュロンや、マイクロフト、ジャックシットなど、強烈なキャラクターが出てこないのも物足りないかな。ハリス・ツイード氏とかミス・ハビシャムは頑張ってるんだけどね。今回ウケたのは脚注電話(ノートフッタフォン)。物語世界の住人達はこれを通じて遠くの人とお話しします。相手の会話がちゃんと脚注になってるの。
で、この物語は取りあえず「未完」。いくつかの問題は解決されていないし、早く次を読みたいです。

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