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2004.09.15

■家守奇譚 梨木香歩 新潮社

小説家の綿貫は事故で亡くなった友人の父から留守宅の管理をまかされる。その家の庭にはさまざまな植物が咲き乱れている。連作短編の形で、非常に美しく格調高い文章で綴られている。登場人物もいわゆる高等遊民という感じで時代背景も併せて漱石の作品を踏襲しているようだ。
死んだ友人やカッパや小鬼が登場するなど不思議な出来事が起こるが、主人公は多少驚きながらも、淡々と受け入れていくさまがあくまでさらりと描かれる。まだようやく電気が使われ始めた時代には、そんな現象は四季の移り変わりと同様の自然な出来事であったかのように。
梨木さんのよいところが全部でている作品だ。犬のゴロー、隣のおばさん、ダアリアの君、和尚もいい味です。

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