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September 2004

2004.09.30

■エナメルを塗った魂の比重—鏡稜子ときせかえ密室 佐藤友哉 講談社 

佐藤友哉、初読みです。
最初は気持ち悪くて、読むのをやめようかと思ったんだけど、途中から少し面白くなってきた。 
人肉しか食べられなくなった少女、壮絶ないじめを受ける少女、ドッペルゲンガーに自分を乗っ取られた少女、コスプレで別人になることが喜びの少女・・・。そこへ絶世の美女が転校してくるとクラスの様相は一変する。
うーん、このありえない設定をとりあえず受けいれてしまえば、それなりに楽しめます。

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2004.09.28

ヴァーチャル本棚

本はほとんど図書館で借りているので、手元にあるものは少ないのです。たまたまこんなサービスを見つけたので、読んだ記念に本棚を作ることにしましたよ。↓
http://pi.jugem.jp/tana/tana.php?ac=purplefield
こうやって表紙を見たら、なんとなく思い出したりするし。場所もとらず、なかなかよいかもです。
まだ全部入力できてないのですけどね。

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2004.09.26

■撓田村事件 iの遠近法的倒錯  小川勝己 新潮ミステリ倶楽部

懲りずにまた読んでしまった。小川勝己。
でもこれはいつもの小川勝己とはイメージが違ってなんだか横溝正史っぽいのです。オマージュってやつでしょうか?岡山の小さな村で東京からの転校生が殺される。下半身切断という猟奇的な殺人がこの後連続して起こるのだが、その村の伝説と奇妙な一致を見せ始める・・なんて展開。
ちょっと気の弱い少年を主人公に、友人である大地主の息子やガールフレンドなどが登場し、初めはほのぼの青春ものって感じで始まるのも意外でした。

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●Croquemadame&Hotcakes Tour at 神戸国際会館

沢田研二のCroquemadame&Hotcakes Tour Part2 が9月23日に神戸国際会館で行われました。国際会館、基本的に大絶賛中の会場なんだけど、入場までが大変なのですよ。ひとりしか立てないような細いエスカレーターを登ってエントランスに到着しますが、ここが狭い!なのでエスカレーター付近は乗場回りが人であふれているのですよ。チケットを切ったあともさらに2階分くらいの長〜いエスカレーターに乗り、ようやくロビーへ到着。ここはなかなか居心地良いのですが、ここにたどり着くまでがねえ・・。
それはともかく、ホール内は新しいので美しいし、木をふんだんに使った内装で高級感(笑)がございまして、桟敷もあるので、ちょっと「オペラ座」にでもいる雰囲気です。(過度にゴージャスではございませんが)席は音響の調整をしているところの近くなのでバランス的にはとてもよいところだと思います。なだらかにスロープになっているので見やすいです。周りを見渡してみますと、二つ前に70代と50代(親子?)とおぼしき男性が座っていらっしゃいます。70代の男性は、後半、なかなか興味深い行動を起こされます。ひとつ前の席にはやはり30〜40代の男性がいらっしゃって(林檎プリントのシャツをお召しでした。この方もしかしたら尼崎にもいらした方かも)このお二人を観察するのもちょっと楽しかったのです。
ひゃっほー、始まりました。もちろん周りはザワッと立ちますわね。林檎シャツの方は通路側の席で通路に完全に出ていらっしゃいます。そして、70代の方はカリスマの途中でおお!椅子の上に立ってご覧になったのです。(ちょと小柄な方でしたので)さすがに立ちっぱなしではなかったですが、私は感動いたしました。「座れコール」ではなく、ご自分も立つ!!! やっぱりコレでございますね。 その後は立ち上がられたり座られたりしながらご自分のペースでご覧になっていました。
「憎みきれない〜」「ストリッパー」などで、みんながノリノリで振り付けしてるのを振り返ってご覧になったりして、楽しまれているとお見受けしました。アンコール前のMCでも阪神話しに70代の方は「来年がある〜!」と叫んで受けてらっしゃったみたいだし。林檎シャツの方は通路でやはり振り付けしながら踊っていらっしゃいま
した。などと客を観察している場合ではない〜。(笑)始まる前までは席も悪いしローテンションだったけど、やっぱり始まると「ワ〜ッ」ってなってしまうんだな。不思議だ。不思議を解明したい人はコンサートへいらしてみてねーー。

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2004.09.19

□華氏911

作品全体としてはちょっと散漫な印象を受けましたが、面白く観ることができました。なんといっても9・11事件の映像をあのように処理したところにムーアの非凡さがあると思います。議員は法案を読んでいないなら、聞かせてあげますとばかりに拡声器を使って読み上げたり、議員に「子どもを戦線へ送りましょう」と声をかけるムーア精神に拍手。
これは「ブッシュの再選阻止」のために作られた映画なわけで、アメリカ人向けの作品だよなーとも思います。
人気テレビドラマ(古いけど)のパロディ表現や「空白の7分間」のナレーションはくどいほど懇切丁寧に「ブッシュはお馬鹿」と訴えかけてきます。でも後半になると「ブッシュはしたたか」という方向に流れているような気もしたな。
とはいえやっぱ「アメリカ」のことだから〜ではすまないわけで、日本だって、どんどん似た状況になっていってる。個人情報保護法とか、イラク派兵とか。結局「民は知らしむべからず」という姿勢とわたしたちの「無関心」が問題なんだよな。


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■臨場 横山秀夫 

ひゃあ・・。ひとが死ぬ死ぬ。って主人公が検視官の連作短編なので仕方がないでしょうが。

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2004.09.16

□バレエ・カンパニー

面白かったです。わたくし的には大満足。
ただストーリーらしきものがほとんどないと言ってもいいくらいなので、「アルトマン」を期待して行ったらガッカリする人もいるかもしれません。
ただただ、練習-舞台、練習-舞台の繰り返しで、合間にちょこっと主人公の恋愛模様がからむだけなので。ダンサー達の日常、時にはボーリングしたり、パーティーで騒いだり。練習中のケガ、バレエ団の方針と確執などはあくまで点描でさらっと流れるので、ドラマテッィクなものはありません。
しかし、ステージの踊りは素晴らしいです。冒頭のゴムテープを使った踊りからもう圧倒されました。
(アイディア、振り付けがいいのです)ロープを使ったブランコの踊りは真俯瞰からの撮影でこれも美しい。
スローモーションを使っているわけではないのに、手の動きが分解写真のように見える撮り方など、ため息です。すごい、すごい、すごい〜とよだれを垂らさんばかりにみておりました。
でも最後の大作舞台は装置や衣装とともに、かなりお子様テイストだったかな・・。あれはよいのか?

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2004.09.15

■家守奇譚 梨木香歩 新潮社

小説家の綿貫は事故で亡くなった友人の父から留守宅の管理をまかされる。その家の庭にはさまざまな植物が咲き乱れている。連作短編の形で、非常に美しく格調高い文章で綴られている。登場人物もいわゆる高等遊民という感じで時代背景も併せて漱石の作品を踏襲しているようだ。
死んだ友人やカッパや小鬼が登場するなど不思議な出来事が起こるが、主人公は多少驚きながらも、淡々と受け入れていくさまがあくまでさらりと描かれる。まだようやく電気が使われ始めた時代には、そんな現象は四季の移り変わりと同様の自然な出来事であったかのように。
梨木さんのよいところが全部でている作品だ。犬のゴロー、隣のおばさん、ダアリアの君、和尚もいい味です。

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2004.09.07

■死ぬほどいい女 トンプスン 扶桑社

なぜだか、これ読み落としてました。「死ぬほどいい女」。いや〜、じつにトンプソンですね。訪問販売の男、嫌みな上司、性格の悪い妻、そこへ現れた天使のように「いい女」。彼女のために小心者の男がずぶずぶと犯罪に手を染めてゆく。いいです。特に最後の方の壊れかけの男の分裂具合が。でもお話は結構まとまっています。

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■魔法 プリースト 早川書房

「奇術師」「逆転世界」と読んでプリーストの幻惑的な語り口を理解したので、「魔法」にも挑戦してみました。
カメラマンのリチャードは爆破テロに巻き込まれて記憶喪失になる。そこへ元恋人と名乗るスーという女性が現れるが・・。彼女は「魅する力」を持った恋人ナイオールにつきまとわれていると主張する。一体「魅する力」とは何なのか。
ほほ〜。やっぱり一筋縄では行かない物語でした。語り手が変わってゆく毎に次々とひっくり返される出来事。ホエ〜、へえ〜、は〜っと思いっきり翻弄されました。でもプリーストの作品って、翻弄されながら読了して、もう一度最初を読み返すと、実は核心がしっかり書いてあるんですね。(笑)

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■ターン 北村薫 新潮文庫

版画家の真希は自動車事故にあって時間のすき間に跳んでいってしまう。そこは生き物が全くいない世界。そして1日経つとまた同じ日の同じ時間へ「くるりん」と「ターン」してしまう。ひとりぼっちで150日を過ごしたとき、突然電話が鳴る。電話してきたのは真希に仕事の依頼をしようとしたイラストレータ。奇跡的につながった電話を通じて会話を始める二人。なぜだかお互いの声しか聞こえないのだ。会ったこともなかった二人だけれど、次第に好意をいだき始める。
きれいで、端正で、優しくて、なんとも上品な物語です。いい話しだと思うし、版画やイラストに関しての制作過程なども丁寧に書かれていてとっても好感がもてるです。ただ北村薫さんの小説って、なんか上品過ぎて物足りない気がするのでした。

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