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2004.07.08

□ロスト・イン・トランスレーション

日本にCM撮影に来た有名俳優とカメラマンの夫に同行してきた若い女性が同じホテルで偶然知りあい、東京の夜を何日か一緒に過ごす。特に何も起こるわけではないストーリー。異国の地で知りあった男女のラブストーリーなんて考えれば山のようにあるのだけど、これは何も起こらないことが特徴なのかも。このCM撮影、妻からくるFAXや、宅急便、電話でやりとりするが深い倦怠がある。夫が出かけたあとパークハイアットの高層部屋に取り残される若妻。言葉での説明はほとんどなく断片的にシチュエーションと彼らの表情だけで孤独でつぶされそうな心情が迫ってくる。親子ほど年齢の違う二人。異文化とのディスコミュニケーションでよけいにその「lost」された部分がクロースアップされ、所在なさげな姿が際立ってくる。(単純に「異国の地」であればどこでもいいようなものだけど、この疎外感は東京が舞台だからこそ成り立ったような気がする。)女はこれから先何をしていいのかわからない。男はこれから先どうすればよいのかわからない。疎外感、孤独、焦燥・・・やりきれない。つまりこの映画は退屈だ。だって人生は退屈なのだから。

それにしても最後の歌は「はっぴいえんど」でしたよ。(カラオケ屋のシーンでも何気に流れていたんだけど)いや〜、やっぱり今聴いてもすごくよいね。ちょっと感動。

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