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2004.03.31

■パイロットフィッシュ 大崎善生 角川書店

エロ雑誌の編集をしている山崎の元に19年ぶりにかつての恋人由希子から電話がかかってくる。彼らの出会い、別れのエピソードや現在の編集部での出来事などが交互に語られる。

きれいな小説だと思った。何もかもがきちんと整合するように構築されている。昔のエピソードに出てきた何気ない登場人物や、言葉が最期にはおさまるところにおさまるように出来ている。出来ていて心地よいんだけど、実をいうと、そういう点が何だかとても物足りない気がする。

テーマはとても素敵だ。一度会った人とは「別れる」ことはできない。それを記憶していることによって、影響を受け続けているからだと。この辺りの感覚はよくわかるんだけど。学生時代の若気の至りで吐いた言葉の数々が、その後の自分に帰ってくる・・というは非常に共感いたします。

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