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November 2003

2003.11.28

パークライフ 吉田修一

正直言って、ふーん、へーえ、ほーお・・、という小説だった。
空気感とか、希薄な人間関係とか今の時代を表現している・・と
いうことも出来るのでしょうねえ。

青年が地下鉄で偶然知りあった女性と、少しずつ打ち解けていく過程が
公園を舞台に描かれる。かといって、ドラマチックな出来事が
あるわけでもない。気球をあげてるおじさんが登場するが、おじさんが
なんのために気球をあげているかふたりで論じ「公園を上から見たいんじゃない?」
という結論になるけど、そういった感じの公園での出来事を俯瞰したような物語。

「flower」という作品はもうちょっと興味深かった。
石屋で働いていた青年が結婚して劇団に入りたいという妻と一緒に酒屋で働くのだ。
そこの同僚のちょっと変わった青年が妙にリアルである。

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2003.11.26

渚にて 久世光彦 集英社

無人島に流れ着いた中学生5人(後2人増えて7人)のサバイバル物語。
普通なら人間関係のこじれみたいなものが前面に出てくるのだけど、久世物語はもっと清らかな愛のファンタジーって感じです。

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2003.11.20

劫尽童女  恩田陸 光文社

超能力少女の物語。
表紙の絵から、こんな話しだとは思ってなかったから
出だしは結構、スタイリッシュで、期待して読み進めた。

でも、後半から最後にかけてあらら~?
双子の弟が出てきた時は、なんかAKIRAぽく。

そう終わるのか。此岸に行っちゃったね。

でもテレキネシスで地雷を見つけて爆発させちゃうって、
ホントに出来ればいいわね~、と思いましたです。

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2003.11.17

サリンジャーを追いかけて ポール・アレクサンダー DHC出版

またサリンジャー関連本です。やはり私はサリンジャーミーハー。
この本の売りは「初の本格的伝記」であること。というのも「サリンジャーをつかまえて」は伝記を書いたが出版差し止めになったため、そのいきさつについて書いた本であり、サリンジャーの一時恋人だった女性や娘が書いたものは日常生活を垣間見せてはくれるが「伝記」とはいえないからだ。
そう言われて読んでみると生い立ちはもちろん、戦争体験や作家デビューのきっかけ、人嫌い・出版社嫌いになっていく経緯など詳しく、なるほどねーと想ったりする。でもやっぱり変人。

40年間も売れ続けている「ライ麦」は何かやはり人を惹きつけずにおかないものがあるんだなあ。

サリンジャーも、もう80歳を超えているのだけど、彼が死んだ時には書きためてある小説は出版されるのだろうか。

ところで、訳文でサリンジャーを「背の高い、中肉中背の」と書いているのだけど、それって矛盾してません?

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2003.11.13

暗黒童話 乙一 集英社

乙一君の写真を始めて見た。なぜだか「はなわ」みたいな感じの青年を想像していたのだけど、全然違った。関係ないけどねー。

構成がなかなか凝っていて、しょっぱなに「アイのメモリー」(タイトルには笑ってしまうけど)幸福の王子的な童話が置かれている。目の見えない女の子のために鴉が他人の目を奪って、その記憶による映像を見せるという話し。

この他人の「眼球が見せる映像」というのがポイントで、主人公の少女、菜深が眼球を移植されて見た提供者の生前の記憶から、ある女の子の失踪事件の謎を探り始める。
しかも菜深は目を失うという事故の際に記憶まで失ってそれまでの彼女とは別人になっている。菜深には提供者の記憶の方が身近なのだ。

冒頭の童話とつながりながら展開し、ミステリーであり、ホラー風味を入れて(グロな描写もあるけれど、なんだか哀しい)青春小説としてまとめあげているのがすごい。しかもあくまで淡々と。

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2003.11.10

哀愁的東京 重松清 光文社

「パパといっしょに」という絵本を書いたきり新作がかけなくなった「僕」。そのため彼はフリーライターとして生計をたてているが、40を過ぎ、この仕事も長く続けられないことも、感じ始めている。
短編連作といった形で「僕」が仕事で出会うさまざまな人の人生と彼の生活が語られていく。最後には一冊の絵本ができあがるのか?

全体的にはちょっときれいごと過ぎるよと思わせながら、きれいごとだよと、いう自分突っ込みもされていたりするし。色んな意味で身につまされてしまうのが、重松清の小説だということですかね。

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2003.11.09

デスゲーム 24/7 ジム・ブラウン 早川文庫

「トゥルーマンショー」のサバイバルゲーム版といったテレビ番組に出演することになったデイナ。勝者には賞金と願い事がかなえられる。彼女は重病の娘を助けるために参加したのだ。ところが、番組は何者かに乗っ取られ、12名の参加者全員は恐ろしいウイルスに感染させられてしまった。

もう、バカバカ。全然面白くないですというか、これって小説かあ~?こんな駄作を出版するなよと言いたいです。

・ワクチンを打たないと1日きっかりで全身から出血して死んでしまうという設定がありえねーー。
・視聴者からの投票をカットするセーフティストーンが手に入るチャレンジというゲームもばかばかしすぎ。
・で、番組を乗っ取った人間の動機&手段がばかばかしすぎ。
・助けにくるキャスターという人がいきなり結果が見える能力をもっているという設定も都合よすぎ。

・・・

などなど。あまりにも突っ込みどころ大杉!

これは昨年読んだ「百人一首千年の迷宮」くらいアホらしい本でした。さようなら。

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2003.11.04

チェイシング・リリー マイクル・コナリー 早川書房

ううん。何とも感想を書きにくいな。

面白いことは面白いのだけどね、最終的にふーーん、って感じでした。

天才化学者ピアスが引っ越した先の電話が、ネット上の娼婦の電話番号と同じだった。その女性リリーの安否が気になったピアスは、にわか探偵となって探り始めるが・・。

ピアスの幼少期のトラウマがリリー捜索の原動力みたいに語られているが、ちょっと弱い気がする。
しかもこの罠はかなりご都合主義ではないのか?
など結構不満点が多くでてくるのでした。

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