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August 2003

2003.08.28

FLY,DADDY,FLY 金城一紀 講談社

鈴木一 47歳 平凡なサラリーマン。妻ひとり、高校生の娘ひとり。
ところがある日、娘が暴行され入院。犯人は高校生のボクシングチャンピオンだった。
傷ついた娘に手を差し伸べてやることもできなかった鈴木氏は、自分の弱さを思い知り、思いがけず知りあったオチコボレ高校の5人組、なかでも在日の朴青年の指導の下、トレーニングを始める・・・。

うむむ。おじさんの再生物語なのであった。
肉体的に変わることで精神的にも変わっていくおじさんの過程が詳細に描かれ、バスの乗客の応援やお供え(?)をもってくる老人たちと一緒になって、拍手を送りたくなる。
師となる朴青年との友情も、とにかく爽やか爽やか。47歳の青春なのであった。「てへっ」
中高年の方に、ぜひ読んでいただきたいかも。

読みながら映像が浮かんでくるような文体なのです。
これも「Go」のように映画化されるかもなー。

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2003.08.26

北野勇作どうぶつ図鑑 5.ざりがに 6.いもり

ざりがには
「ペットを飼うヒト」が駄洒落みたいで笑えたなあ。
「ヒトデナシの海」は季節柄お盆の話でしみじみ。

いもりは
「曖昧な旅」は北野風「城」って感じでしょうか?


カメリシリーズ、今度はハワイに行く。
カメリ好きだなあ。可愛くてけなげで。

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2003.08.22

不在の騎士 イタロ・カルヴィーノ  国書刊行会

わたしたちを「存在」させているものってなんだろう。
それは「意志」なのであると・・。

シャルルマーニュ王の下で勇猛果敢に闘う真っ白の甲冑の騎士。
その名はアジルールフォ。しかしその中身はからっぽ。
肉体はなくとも「意志」の力で存在してしまうという、またまたいきなりシュールな設定。
そして対称的に彼の従者は、スープになったり蝶になったり、
存在するのかしないのか自分でもわからない奴だったりします。

導入はちょっと取っつきにくいのですが、読み進めるうちにあれよあれよという感じで「物語」に取り込まれていきます。「騎士物語」(アーサー王とか、ローランの歌とか・・)の体裁を借りて、彼が「騎士」たる由縁となるお姫さまを探してヨーロッパ中を駆け巡る。
旅の途中で出会う誘惑する王妃の色仕掛けをかわすところがなかなか面白い。

「存在するということだって学びとるものなんですよ」
とある村の村人の台詞だが、彼らも自分たちが存在するかどうか自分ではわかっていなかった。
そしてある日「できっこない」と思っていたことをやってみたとき、存在意義をみつけたのでした。

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2003.08.20

あのころの未来 最相葉月 新潮社

坪内祐三の「一九七二」とか重松清の「トワイライト」つながりで、星新一やら真鍋博が未来を描いていた「あのころ」の時代を検証しているのだと思っていました。でも実は、星新一の作品が描いた作品を引きあいに出しながら今の事象のアレコレについて述べるという形のエッセイだったんですね。
なんか毎回、無理矢理星新一の小説と結びつけて、ストーリーも紹介したりしているのですが、ショートショートだから、話し全部わかっちゃうやん!(笑)なんだかちょっとどうよ、コレ?って感じでした。
でも「あのころの未来」というタイトルは「夜空ノムコウ」からとったんだって。このタイトルは秀逸かと・・。

星新一といえば、わたしが一番印象深いのは「おーい、でてこい」ですかね。
みなさんは?

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2003.08.19

妖櫻忌 篠田節子 角川書店

有名な女流作家、大原鳳月が焼死した。秘書の律子に回想録を書くように依頼した編集者は、
回を追うにしたがって、その文章も、内容も、死んだ鳳月にそっくりになっていくのを不審に思い、
律子を問いただすが・・。

死んだ女流作家の実像を暴くという感じは「第4の神話」にも、未完の小説を追い求める編集者という
話しはは「聖域」にも似ているか・・。
なんだかこういうのが篠田さんは好きみたいなのね。
鳳月の作中作品もこれはこれでよくできていると思うのだけど、こういう作品を書こうとは
思わないのでしょうか?
やっぱりホラーとかミステリーの枠組みの中で書く方がラクなんでしょうか。

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2003.08.18

トワイライト 重松清 文芸春秋社

トワイライト=黄昏。
でもまさか40歳の男女が「黄昏」として描かれるというのは
ちょっとショックだった。

彼らは小学校の同級生だ。たまがわニューータウンで幼い日々を過ごした彼らは「未来」を輝かしいものだと信じていた。「人類の進歩と調和」がテーマの万博に日本中が沸き返っていた頃だ。
それから約30年。タイムカプセルを開封するために集まった同級生達はそれぞれに悩みがあった。

ガキ大将のジャイアンはクラスのアイドルと結婚。しかし離婚の危機に瀕している。天才少年のび太は、リストラ寸前の状態、天才少女は予備校講師だが今は落ち目・・。

そんな彼らにタイムカプセルを提案しながら亡くなった先生の手紙は「君たちは今幸せですか」と問いかける。

あんまりにもリアルな彼らの生活に胸が痛い・・。
予備校教師のケチャに境遇にしみじみ身につまされました。




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2003.08.13

紫嵐 五條瑛 双葉社

ううううう・・ん。
感想書くのは難しいです。

カンボジア難民の鳩と北朝鮮から逃亡してきた少年すみれは
中国人のもぐり医院で出会う。
中国人、タイ人、カンボジア人そして日本人たちが新宿の
片隅で、出会い、裏切られたり裏切ったり。
面白かったのですが、なんだか実感がわきません。「革命」にも。

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2003.08.11

真相 ロバート・B・パーカー 早川書房

ポールの友人の女性の依頼は「28年前に銀行強盗事件に巻き込まれて死んだ母の殺害犯を捜してくれ」というもの。スペンサーは事件を調べようとするが、何故か事件の情報は非公開。しかもギャングに命を狙われそうになる・・。

記念すべき30作目のスペンサーシリーズにしては、少々しょぼい事件&展開でした。
一応別シリーズのジェッシイ・ストーンも登場して、スペンサーと協力するというような
ファンサービスなんかもあるのですけどね。

おまけとして30作を記念して、著名人に一番好きなスペンサー作品のアンケートを
とったものを掲載してあります。
「レイチェル・ウォレス」と「初秋」がやっぱり一番多いですね。
他に「ゴッドウルフの行方」は「スーザンが出てないから、好き」という人もいました。(笑)
わたしは「レイチェル」「初秋」に「約束の地」が、好きですねー。
登場初期のスーザンは魅力的だったんだよねー。

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2003.08.06

死の教訓(上下) ジェフリー・ディーバー 講談社文庫

読み終わったんですが、上巻のたるさが急に変わることもなく、
そのまま終わってしまいました。

ディーバーってもともとあんまり好きじゃないんです。
「ボーンコレクター」も正直言って楽しめなかった。
(犯人が・・犯人が魅力なさすぎです。腰くだけです)

で同じことがこれにもいえる。
犯人像がほとんど描かれていなくて、最後に一挙にベラベラと
動機をや手口をしゃべるんだけど、説得力なーし。ここまでひっぱるような
話しじゃないでしょ。長すぎるよ。
無駄なエピソードも登場人物も刈り込むべきだと思う。(←えらそう)
どんでん返しって言っても、無理矢理ひっくり返してる感が否めない。
ふーん、実は結構前の作品なのだ。習作って感じです。

それからタイトル「死の教訓」ってなに?
何が教訓なの~!?(^_^;) 
原題は「The Lesson of Her Death」うん。これは意味深だけどね。

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2003.08.05

死の教訓 ジェフリー・ディーバー 講談社文庫

上下巻ですが、上巻しか読めてません。

うーん。なんだか面白くないんです。
タルい、というか。

とりあえず下巻にたどりついたのでなんとか読んでみます。

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