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2003.08.22

不在の騎士 イタロ・カルヴィーノ  国書刊行会

わたしたちを「存在」させているものってなんだろう。
それは「意志」なのであると・・。

シャルルマーニュ王の下で勇猛果敢に闘う真っ白の甲冑の騎士。
その名はアジルールフォ。しかしその中身はからっぽ。
肉体はなくとも「意志」の力で存在してしまうという、またまたいきなりシュールな設定。
そして対称的に彼の従者は、スープになったり蝶になったり、
存在するのかしないのか自分でもわからない奴だったりします。

導入はちょっと取っつきにくいのですが、読み進めるうちにあれよあれよという感じで「物語」に取り込まれていきます。「騎士物語」(アーサー王とか、ローランの歌とか・・)の体裁を借りて、彼が「騎士」たる由縁となるお姫さまを探してヨーロッパ中を駆け巡る。
旅の途中で出会う誘惑する王妃の色仕掛けをかわすところがなかなか面白い。

「存在するということだって学びとるものなんですよ」
とある村の村人の台詞だが、彼らも自分たちが存在するかどうか自分ではわかっていなかった。
そしてある日「できっこない」と思っていたことをやってみたとき、存在意義をみつけたのでした。

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