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July 2003

2003.07.31

プラネタリムのふたご いしいしんじ 講談社

プラネタリウムに、ふたごの兄弟が捨てられていた。
銀髪のふたりはプラネタリウムの解説者泣き男にテンペルとタットルと名付けられ、
すくすくと育つ。ある日テンペルは訪れた奇術団とともに旅立っていく・・。

「ひょっとしてより多くだまされるほどひとってしあわせなんじゃないんだろうか」

はじめのうちはなんだか設定になじめず、かなり時間がかかってしまいました。
じつは途中で投げ出しそうになっていたので、申し訳ないが、だまし方がうまくなかったのかもね。
それか、私の信じる心が足りなかったのかも。

でも後半は心地よくだまされてしまいました。ありがとう。

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2003.07.29

DZ 小笠原慧 角川文庫

なかなか面白く読めました。

ベトナム難民の妊婦、アメリカで起きた殺人と幼児失踪事件、
身障者施設で働く女医・・。これがどうつながっていくか・・・

読みごたえありました。よく書けてるのでは。

とはいえそつなく、出来すぎという気もしたのだけど、
思い掛けない結末で、やられたかも・・と思いました。

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2003.07.25

クリムゾンの迷宮 貴志祐介 角川書店

ん? これはずいぶん前の本のはずなのに図書館の新刊書コーナーで見つけました。
ホラー文庫で出たのが、ハード(?ちがう?ソフトカバー)の
単行本になったみたいです。コレクターズアイテム版って。(笑)
貴志さんの小説って、これで全部読んだことになるのかなあ。

面白いことは面白いのですよね。全部。でもなんとなく印象に
残らない。強烈に好き!と思えない作家だなあ。
でも読むと面白いだろうと予測されるので読んでしまう。

気がつくとサバイバルゲームに参加させられてしまった、
リストラおじさん。ゲームの参加者は9人。一体だれが生き残る
のか・・。
まあちょっと「バトルロワイヤル」にも似てるかしら。

ゲームの主催者(?)の設定がちょっと、え~~?って感じです。

こういう話しを読むと、わたしって絶対サバイバルできないわと
いつも思ってしまうのよね。

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2003.07.23

蟹の横歩き ギュンター・グラス

ヴィルヘルム・グストロフ号事件というのは、1945年に起こった史上最悪の海難事故でありまして、なんと死者は約1万人とも言われている。でもなぜかあまり語られないのは、ナチスドイツが建造した船で、ソ連の攻撃によって沈没したというかなーり複雑な政治的背景があるからなんですって。

この事件を「ブリキの太鼓」のギュンター・グラスが書くと、これまた一筋縄ではいかないんです。

船が沈んだ時、ひとりの妊婦が助かり、そこで男の子を生んだ。この人が語り手となって、話しはすすみます。
彼の母トゥラおよび生存者の後日談を中心に、船名の由来となったナチス高官とその暗殺者ユダヤ人青年ダヴィト、そして突然インターネット上に現れたグストロフ号事件を語るサイト、そしてネオナチのことなど、現代と当時を行ったりきたりしながら描かれるので、かなりわかりにくいのです。
でも読み終わった後、この行ったりきたりの「蟹の横歩き」は歴史そのものなんだと気づくんですよ。

もともと「神に選ばれし無敵の男」という映画を見て「蟹」に何か意味があるのか・・ということで
興味を持った本です。
今でも残るユダヤ人蔑視とナチス崇拝。右に振れ、左に振れ、ゆらゆらと揺れ続ける人心は
まさに赤い蟹なんだなあ。

助かった妊婦であるトゥラの肝の座った生き方はあっぱれ~!

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2003.07.22

蟹の横歩き ギュンター・グラス 集英社

ヴィルヘルム・グストロフ号事件というのがテーマの小説なんだけど~。
(って突然言われてもわからんよね。読後ちゃんと説明します)

タイトル通り「蟹の横歩き」で、進みません~。(涙)
がんばる。

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2003.07.19

ぬかるんでから 佐藤哲也 文芸春秋

なにしろ文章が上手い。
硬質で緻密な描写なのに非常に香り高いものを感じる。
読んでて「文学だわ~」って思ってしまいました。(笑)
文章そのものを味わうっていうんですか?
美味しゅうございました。

お話はとても説明しにくい、想像を超えた展開のもの
ばかり。(短編集で13の作品が入っています)
ファンタジーともホラーとも、寓話ともとれる。
しかしあくまで文章はたんたんとしていて、描かれる風景も
登場人物の抱く思いも日常的なんです。

ちょっと川上弘美さんの初期の作品「蛇を踏む」あたりも
思い出しました。

「きりぎりす」と「夏の軍隊」が特によかった。

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2003.07.18

一九七二 坪内祐三 文藝春秋

いま坪内祐三の「一九七二」その時僕は14歳だったと帯に書いてあります。
この人同い年なんだ。(学年は一つ下だけど)

1972年は時代の転換期であったということを、72年に起こった
事件を当時の雑誌や新聞なんかを引用しながら検証してる。

あさま山荘
横井・小野田日本兵帰還
沖縄返還
札幌オリンピック
佐藤首相退陣から田中角栄誕生
「ぴあ」の創刊
それからロックの話しなどなど。
懐かしいシカゴやブラッドスエット&ティアーズ、グランドファンクや
幻のストーンズ来日について・・。
キャロルとロキシーミュージック(デビュー当時はある意味いでたちは
似てました)とか・・頭脳警察やはっぴいえんどの名前も懐かしく、
昨日は「頭脳警察2nd」を聴いてしまった。

連合赤軍の人物関係がはじめてわかった・・。
当時の「あさま山荘」のTV中継は見ていたけど、実は何がどうなっていたのか
よく理解してなかった。
「総括」という言葉と新聞に載った永田洋子の顔写真が脳裏に焼き付いているくらい。
真面目すぎた人達だったのですね・・・。




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2003.07.16

真夜中のベルボーイ ジム・トンプスン 扶桑社

高級ホテルの夜間のベルボーイとして勤務するハンサムな青年。
彼には公職を追われてからだらしない生活を続ける父がいる。
ある日信じられないくらい美しい女がチェックインし、
そしてある事件からギャングの強盗の手伝いをするはめに・・。


調子よくて、自分のことしか考えていない無自覚な青年がトラブルに巻き込まれ、
破滅していくというお話し。
トンプスンの他の主人公に較べると随分「普通」な感じだけど(笑)

映画にしたら、それなりに面白いのではと思いました。

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ティモレオン ダン・ローズ アンドリュース・クリエイティヴ

ああ。うう・・・。なんというお話し。(←感動している)
ちょっと初めて出会ったタッチといいましょうか。

センチメンタルジャーニーって、副題がついてます。
ティモレオンって、犬の名前なんです。
なんだか、よくある(?)動物ものなの、って思ってたんですが
とんでもない!!!!!

老作曲家と犬とボスニア人と銀色パンツの少年をめぐる愛のお話しでした。

ちりばめられた数々の不思議なエピソードが、いいですね。

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2003.07.08

葬列 小川勝己 角川文庫

うーーーーーー。気分が悪い。
何というか、とても不快な作品ですね。

前半は割と面白かったのですが・・。
どうしてこんな血みどろの話にしないといけないのかわかりません。

それからキャラクターも?です。
明日美が簡単に「組む」と言ってしまうのも、
史郎としのぶの前半と後半の性格が変りすぎてるのも
なんだか、ご都合主義だわーって感じでした。

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2003.07.04

ハグルマ 北野勇作 角川ホラー文庫

人はあんまりにも恐いめにあうと、笑いだしてしまう。
笑うことできっとその恐ろしいことを「なし」にしてしまおうとするのだと思う。

北野勇作さんのホラーは他の作品のように淡々と日常生活が進みながら
微妙なズレた感じをジワジワっと表現してる。
恐い。恐いけど可笑しい。

ずーーーーーと昔に大友克弘の漫画で死体処理に困ってあることをやっちゃう短編を
読んだことがあるけど、それを思い出した。
なんだか突き放したような感じ、っていうのか。

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2003.07.03

九十九十九 舞城王太郎 

放逐しようかと思っていたけど、2章を読んでみると構造がわかったので
まあ、我慢して読んでみることにした。

そう思って読むと「本格推理小説」のパロディなのか?と思った
でも清涼院流水って知らないしなー。
そいで最終章。
ううーん。結局、自分捜しの旅だったってこと~?
なんですね。

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