« February 2003 | Main | April 2003 »

March 2003

2003.03.25

バルタザールの遍歴 佐藤亜紀

「天使」が面白かったので、デビュー作という本書を読んでみました。
「天使」と同時代のヨーロッパ(ドイツ・オーストリアあたり)が舞台というところも似ている。
バルタザールとメルヒオールという双子の物語なのだけど、肉体はひとつしかない。入れ替わるのではなく、体の中で共存しているのだそうです。
(まあ、この設定はなかなか可笑しいのですが)

この二人の貴族の放蕩歴を描いたものですが、ほんとうにただの遍歴なの。

70年代頃のヨーロッパ系の映画を「トム・ジョーンズの冒険」みたいな古典的な語り口で描いたという感じですかねー。

ま、こんな文体を書いてみたかっただけ、という風にも見えますね。「天使」は文章が素晴らしかったけど、この時はまだ習作というように感じられました。

|

2003.03.20

シティー・オブ・ボーンズ マイクル・コナリー 早川書房

ひやー。
読み終わったあと、ひっくり返りそうになったです。
こんな展開になるとは・・・・。

ああ、ボッシュ君、ボッシュ君。あなたの心の平和は
一体いつくるのでしょうか・・。


疑問なんだけど、アメリカには時効ってのはないの?
少年の骨が30年前のものとわかった時点で「時効」って
ことにはならないのか?

|

2003.03.14

流転 新津きよみ 双葉社

この作家も初めて。
乃南アサさんと新津きよみさんがお好きという方と
知りあいになって読んでみました。

こちらはちょっと面白いです。

あやまって人を殺してしまった女子大生
心理セラピストのところにかかる謎の電話

アグネス、鈴木かおる、須山久美子・・。
同姓同名、夫婦別姓などとからめながら
名前のトリックをうまく使っていて、
なかなか楽しめます。

|

幸せになりたい 乃南アサ 詳伝社

奥田英朗の「マドンナ」の女性版?

幸せを求める女性のさまざまな恋愛のカタチが描かれる
短編集。

乃南アサさんって実は初めて読んだ。
ちょっとこれはもうひとつピンとこなかったな。

|

2003.03.11

マドンナ 奥田英朗 講談社

40代の会社員男性が主人公の短編集。
社内恋愛、出世、ライバル、妻との関係など、色々。


うーん大変なのねー。と社員数50人以上の会社に
属したことない私は思うのであった。
いるんだろうなこんな人、って感じ。
でも正直いってあんまり共感できる人は出てこない。

最後の「パティオ」がまあまあ好きかしら。


それにしても何故、奥田英朗がこんなの書くの~?
器用な人なんだなーとは思うが、こういう話しは
別に奥田さんでなくてもいいでしょ。

|

2003.03.10

光の旅人 ジーン・ブルーワー

ある精神科。自分のことを「K-パックス星」から来た異星人だと
主張する患者を治療することになった医師。
医師は多重人格だろうと思いながら話しを聞くが、卓越した宇宙
についての知識やK-パックス星の描写に、次第に妄想なのか
疑わしくなってくる。
しかも男には他人を癒す不思議な力があった。

これ映画になってるんですねー。ケビン・スペイシー主演で。
なかなかぴったりかも。


うーん、心温まるストーリー。いかにもアメリカンな小説でした。

「K-パックス星」はなかなかよさそうなところです。
私も行ってみたいです。

|

2003.03.03

パレード 吉田修一 幻冬舎


東京のとあるマンションで共同生活をする5人の男女。
大学生の良介、俳優の恋人の電話を待つ琴子、アーティストの未来、夜のバイトをしているサトル、
そして映画会社に勤める直輝。
18歳のサトルから28歳の直輝まで年齢も幅広いが、互いの領分を冒さず、
しかも仲良く過ごすためのルールが自然と出来上がっている。

「最近の若いもん」の風潮が描かれていて、爽やか、爽やかした青春小説の体裁だ。
でも
それぞれの日常がそれぞれの一人称で語られる時、微妙に互いのズレが見えてくる。

自分が考える自分、他人が見た自分、他人が見ているだろうと思っている自分を分析する自分・・。

最後の一章は衝撃でしたが、しかし・・。爽やかに日常生活は続いていくのであった。

|

« February 2003 | Main | April 2003 »