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February 2003

2003.02.27

覗き小平次 京極夏彦 中央公論社

映画の「生きている小平次」というタイトルはきいたことはあったけど、
「四谷怪談」ほどポピュラーではなく、どんな話しか知りませんでした。
映画の方は簡単にいうと、小平次と妻とその夫の三角関係で夫に殺された
小平次が、幽霊になるという話し。

この原本が山東京伝の「復讐奇譚 安積沼」というもので、
これ自体かなり複雑な登場人物の関わりがあるを
さらに京極解釈により、新しい物語にしてしまったようだ。

生きているのか死んでいるのかわからないようなへぼ役者小平次。
だけど幽霊役をやらせたら天下一品。だって、ほとんど存在自体が幽霊のような人なんだから。
しゃべらない、いつも押し入れに入っている・・・。なんだかいきなり嗤ってしまうような設定。

その小平次の妻、お塚。いつも小平次を罵っている。
お塚を追い掛け回している多九郎。
多九郎の口聞きで小平次を招く劇団の女形、歌仙。
その昔、歌仙の命を救ったことのある動木運平。

これがまた凄い因縁でからみあっているのです。

ま、とにかく色々ありまして。

京極解釈による幽霊譚のエピローグは、何だか可笑しくなってしまう。
妙~なトーンでくすぐられる感じです。
これはこれで素敵なハッピーエンドなのです(笑)。

お岩さんもよかったけど、お塚さんも、かっこいいのよ。

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2003.02.25

心理捜査 レオナード・サンダーズ 講談社文庫

「心理捜査」というタイトルだから、読み初めはよくあるプロファイリングで
捜査官が犯人を追いつめてゆくタイプかと思ったら、
連れ去られた子役スターのお母さんが大活躍!
少々活躍しすぎかも。(笑)

しかし最後はなかなかスリルがあった。

心理捜査官ブッカーと医師と精神科医の3人の間になにやら事情があるようで
思わせぶりに色々書いてあるので前作があるのかと思ったけど、違うのね。

※タイトル「心理捜査官」だとばかり思ってたよ。
 インパクト弱いよね。

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2003.02.21

洞窟 ティム・クラベラー アーティストハウス

なんか不思議な話であった。

オランダ人の地質学者エイホンはカンボジアとおぼしき国で「運び屋」をやっている。初めてのことでびびりまくっている。
彼はある事情からどうしても金が必要になり旧友アクセルからこの仕事を受けた。そして受け渡しの場所で出会ったのは・・・。


章ごとに時間も人物も色んな風に交差し、途中までは何が何やら?最後まで読んで「うーん」って感じ。

「運命」というか「赤い糸」だったんですねえ。

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2003.02.19

半落ち 横山秀夫 講談社

話題の「半落ち」をようやく読ませていただきました。

構成がうまいじゃないですか。
アルツハイマー病の妻に懇願され扼殺した警官。
自首した彼は犯行から2日間の行動を明らかにしない。それは何故か。
刑事、新聞記者、検察官、弁護士、裁判官、最後に刑務官と逮捕後の流れに沿って、
それぞれの思惑や立場から事件のその後と容疑者の姿が描かれる。
その間に裏取引や駆け引きがからんで、妥協したり裏切らざるを得ないくなる心境など、
こっちの方がサスペンスフルで、面白く読めました。

キーワードは50歳ですねー。
もうこの歳になると色々挫折もあり、仕事への情熱とか色々無くしちゃうし
なんか大変なのよね。

え? そんで?泣きませんでしたよ。(笑)

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2003.02.18

裁きを待つ女 デイヴィッド・クレイ ヴィレッジブックス

読了しました。
ううん。衝撃のラスト・・・と聞いていたのですが、
あんまり衝撃を受けなかったよ・・。

まあどう落とすのか?と思ったらああなりましたね。
確かに木っ端みじんですが・・。

なんかわけわかんない感想だなあ。(笑)
ちょっと消化不良です。

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2003.02.14

天使 佐藤亜紀 文藝春秋

困った。困った。難しい。密度濃すぎ。
(「航路」の饒舌体とは対極に位置しますねー)
あまりにも高尚すぎて、ちょっとわかんないよう。

第一次世界大戦頃のウィーンを舞台に、超能力を持つ私生児ジェルジュはスパイとして育てられ、同じく超能力者たちと闘い続ける。

というと凄く派手な物語を想像するのだけど、文章が抑制がきいていて、とても静かに展開する。
考えようによれば、ほとんど「感覚」だけの世界のお話しなのでこれは相応しいのかもしれない。

翻訳小説のようにも思える、短文を積み重ねた文章が印象的。
再読しようかな、と思わせられましたね。

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2003.02.11

なぎら☆ツイスター 戸梶圭太 角川書店

一気読みしました。

お見事。

クールでした。

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2003.02.10

ぶらんこ乗り  いしいしんじ 理論社

不思議なお話だった。
イタロ・カルヴィーノの「木登り男爵」を思いだしました。

天才少年と姉の物語なのだけど、弟が書いたという童話(?)が
いくつもちりばめられている。

(ひらがなばかりの童話はちょっと読みにくくて、
途中めんどうになったけど)

ありえないシチュエーションやシュールな設定もたんたんと
語られていると、とても自然で。何ともいえない透明感が
ありました。





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2003.02.07

航路 コニー・ウィリス ソニー・マガジンズ

読了しました~。

うーん。なんというか。
ある意味、すごい肩すかしでした。
最後まで読んで、深い感動を覚えたかというと、あんまり覚えなかったですね・・・。

読み終わった後、いくつかの掲示板で感想を読ませてもらったのだけど、私個人の読解力がないというか、理解力不足のせいなのかもしれませんが。

確かに張り巡らされた伏線なのだろうけど、私にはうざったいというか、うっとおしい。
話し好きのおじいちゃんとか、ブライアリー先生、メイジーの果てしないおしゃべりには辟易してしまって、3章になって、その断片がつぎあわせられても、なんだか無理矢理感が強い。

なぜここまで引き伸ばすんだ~~~~~!!!!って無茶苦茶イラついてしまう私でした。しょぼん。

ああ、それにしてもあのキャンセルばっかりやってたチャリティーおばさんとは結局会えなかったんだよね?

ただお疲れさまと、自分に言ってやりたい。

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2003.02.03

航路 コニー・ウィリス ソニー・マガジンズ

知り合いサイトでしばしば目にするタイトルなので、興味がわいて、図書館で見つけました。

まったくどんな話か知らないで読み始めたところ、なんだかこれって昔感じたことがある・・。作者紹介を読んで納得しました。(笑)「ドゥームズデイブック」の作者だったのねー。

臨死体験を研究している主人公が、自ら被験者となって臨死体験をするがそこで出会ったものは・・。


なんか似てる。「ドゥームズデイブック」はタイムマシンで14世紀のイギリスへ行く女子学生の話でした。
大枠が似てるのと、異常に分厚いのと・・。
そして、読んでると妙にイライラしてくるところ。(笑)

何かといえば、やたら邪魔が入って、登場人物がすれ違ったり、引き止められたりして、核心にたどりつけないこと。
研究を邪魔するドクターがやたらおしゃべりでえんえん、主人公に語り続けたり、患者の女の子が災害話をえんえんしゃべり続けたり・・。ポケットベル、留守電のメッセージ。いつも閉まっているカフェテリア・・・・。

はいはい。きっとぜーんぶ意図があるんだと思うんだけどね。
なんだかとっても疲れる・・・・。
面白いことは確かなのだけど。

まだ上巻です。全体の感想は全部読んでから。

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