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January 2003

2003.01.30

ローマ人の物語 「終わりの始まり」 塩野七生 新潮社

ローマ人の物語も11巻目なのですね。

「終わりの始まり」とはローマ帝国が衰亡していく序曲という
ことですね。実は5賢帝と称された5人目の哲人皇帝、マルクス・アウレリウスから衰亡の歴史ははじまっていた・・と。

息子がとんでもない皇帝だったらしいです。
今となってはネロやカリギュラなんかより悪い奴だったと言われているらしく。
その時代を描いたのが映画「グラディエーター」なんだそうです。悪皇帝コモドゥスをホアキン・フェニックスがやっている。
なんかぴったり~。って映画見てないので今度見てみよ。

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2003.01.27

どーなつ 北野勇作 早川書房

むずかしいなー。
北野勇作さんの作品はいつも「記憶」が軸になっている。
「記憶」ってあいまいで、都合のいいように改ざんしたり、改ざんされたり。
現実なのか、夢なのか、願望なのか、自分の記憶なのか、他人の話しがいつしか
自分の記憶のように取り込まれているのか。

脳をほんのちょっといじくっただけで、言葉が失われたり、形を認識できなくなったりする。
記憶が蓄積できなかったりすることもある。

脳が感じていることが現実なのか、現実を脳が感じているのか。
私たちは夢をみているだけなのか。

これって「マトリックス」だよね。

自分って何? 自分を作っているものって何?っていうところに話しがいきつくわけで、
それは記憶であり、それが改ざんされているならば、いったい自分って何?
ということになるのかな。

ものすごく難しい世界を、あまりにも身近な日常として描く北野ワールド。
最近昭和30年代の懐かしい風景が流行っているらしいが、そういうノスタルジックな風景も、
今こそ書かれたSFなのでしょうかしら。

北野さんって、天六に住んでらっしゃるのね。職場から10分くらいで行けちゃうの。
ああ、このご近所感も懐かしい。(笑)

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2003.01.25

死への祈り ローレンス・ブロック

読了。
ちょっと今回は人が死にすぎたのでは?
暗い気持ちになっちゃう。

全体の構成がすごくよく出来てるし、
うまいなーーと思うのです。
その点、スペンサーシリーズより、ずっとうまいなー。
でも何だか、穴だらけのスペンサーシリーズの方が
欠点が多いゆえに愛すべき作品って感じがしてしまう。

スカダーシリーズをちゃんと順番に読んでいないからかしら?



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2003.01.22

死への祈り ローレンス・ブロック 二見書房

読書中
マットスカダーの最新作。
シリーズをちょいちょいつまみ食いのようにしか読んでいないので、
或る意味シリーズものの醍醐味を味わっていないのかも。
私がすっとばした間にエレインさんと結婚していたのですね。

マットも60くらいになって、しかも、かなり裕福になって、
別に仕事をする意味もない、探偵免許もない私立探偵。
なんかよくわからない。(^_^;)

でもシリーズは続く・・・なのでしょうか。
スペンサーといい、マットといい、もういい歳なのだから引退されても
と思ったりしたけど、
ドイツでは67歳のゼルプ探偵が活躍しているから、まあ、いいのかな?

話しはある裕福な弁護士夫妻が強盗に入られ、帰宅したところを殺されるという
事件。2人組の犯人は数日後死体で発見され、片方が相手を殺した後、自殺と判断される。
しかし不審に感じたマットは独自に調査を始めるが・・・。
てな展開。

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2003.01.20

熊のいる場所 舞城王太郎 講談社

ははは。
面白かった。

なんかこの感じって、乙一にも通じるような気がするのだけど、
一人称で語られながら傍観者的な語り口というのか・・。

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2003.01.17

お岩と伊右衛門 高田衛 洋泉社

「四谷怪談」の深層という副題がついてます。

たまたま図書館で見つけちゃったんですが、
なぜこんなものを読んでいるかというと、
「嗤う伊右衛門」京極夏彦が好きだからですね。

私は江戸版「トリスタンとイゾルデ」だと思っとります。

初めて読んだ時は、あの有名な話しをこのような人物造形に
おきかえたということに驚きを感じたのですが、
その時から「四谷雑談」という元ネタがあると、書かれていて
ちょっと、興味がありました。

この本は「四谷雑談」から、南北の「四谷怪談」も交えて
実話とフィクションへの変遷が詳しく解説してあります。

南北がつくりだした「色悪」伊右衛門もいいけれど、
やっぱり京極の伊右衛門が何ともよいの・・・。

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2003.01.15

GOTH  乙一 角川書店

読了!

面白かったわ。
なんというか、ミスリーディングがお上手!

最後の「声」はすごいなあ。
被害者と加害者って本当に紙一重なのだ。
生きること、死ぬことの意味まで考えさせられちゃいますね。

「キラー・オン・ザ・ロード」の
「殺さずにはいられない闇」を思い出しちゃいました。


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2003.01.14

GOTH  乙一 角川書店

読書中
なんか不思議なタッチの小説ですなー。
短編連作という形になってます。

自殺とか、猟奇殺人とか、そういうくら~いものに魅かれる高校生の男の子と女の子の物語。

くらーい。くらいんですが、どろどろしてないんですね。
乾いてる。
それがなんとなーく、ユーモラスだったりする。

主人公の森野夜という女の子。髪が長くて黒づくめの服装、暗い顔して無表情で・・。不気味なんだけど、なんかそのふてぶてしいくらいの鈍感さが笑いを誘うところがあるんですね。

現在、森野危うし!の状態です。どうなるのでしょう!?

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2003.01.10

ゼルプの欺瞞 ベンハルト・シュリンク 小学館

「ゼルプの裁き」に続く老私立探偵(だって69歳なんだよ)ゼルプシリーズ第2弾。

今回は行方不明になった女子大生探しを「父」と名乗る男性から依頼を受ける。しかしどういうわけかその「父」は姿を見せない。

かなり話しはややこしく、人名・地名が混乱してしまった私。
後半のどんでん返しには「おお!」と思いましたが。

それにしてもラストは何とも好きだわ~。(笑)

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2003.01.08

UNKNOWN アンノン 古処誠二 講談社ノベルズ

自衛隊基地の大佐の部屋に盗聴器が仕掛けられた。秘密裏に捜査に乗り出す防衛部の朝香。
そして補佐についた野上。
犯人は密室状態の部屋にどうやって侵入したのか、
そしてその動機は?

という本格ミステリ。

全編朝香と野上の会話がほんわかしていて、しかも朝香が
コーヒー好きで何かというとコーヒーを飲んでいるので
全体にとてものんびりした印象だ。

さりげに自衛隊員の日常を描き、彼らの抱える悩み
(一般人にけむたがられる、そのためにやりがいが見いだせない
みたいなこと)なんかもよくわかる。

悪くはなかったです。

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2003.01.06

キラー・オン・ザ・ロード J・エルロイ 扶桑社ミステリ

2003年の読み初めが「キラー・オン・ザ・ロード」ってのも
どうなの?と思いつつ。
やっぱりエルロイは好きだなと思った一冊。

40人以上を殺害したシリアルキラー、マーティン・プランケットの回想録という
形式をとった小説。
満たされなかった幼少期、コミックヒーローに託す夢。
でもそれだけが、彼が殺人という行為に向かう動機では
ないだろう。

もうひとりの殺人鬼と会い、増幅し、共鳴していくあたりが
なんとも凄まじく、
二人の愛憎に非常にゾクゾクしてしまいました。
プランケットを捕らえるFBI捜査官との3人が交錯する時、
異常と正常は一体何が違うというのかが問われる。
狂気と闇は誰の中にも確実にある。
その闇を被っている薄い被膜を破る、破られることだってあるだろう。
自制心とか、そんなものではきっと止めることはできないんだ。

最後まで読んで巻頭の殺人事件を読み直すと、マーティンの心の奥底が
少し見えるような気がした。

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2003.01.04

2002年読書のまとめ

休みの間は本が読めないので読書日記も滞りがち。
そこで昨年の読んだ本のリスト作りなんかをやったりしてみたところ
約100冊でした。

リストをつらつら眺めると、今年初めて出会った作家さんが多い。
川上弘美さん8冊、恩田陸さん12冊と、
この二人をかなり集中して読みました。

川上弘美さんは文句なしに好きですね。特にどの作品というより
なんか、ほやほやした感じが好きなのかな。
「蛇を踏む」とかなんだか昔話と現代物の合体のような作品に特に
魅かれる。
恩田陸さんは、すごく力のある人だと思うし、今後も楽しみにしていきたい
作家だけど「好き」って感じにならない。器用すぎるからかな? 
でも言葉の感覚はとても素晴らしいなと思う。
作品としては「光の帝国」がやっぱりいい。

それから海外作品は
グレッグ・ルッカの「アティカスシリーズ」、スティーブ・ハミルトンの
「マクナイトシリーズ」に出会えて、これからの楽しみが増えました。


ベストはなかなか難しい。ベストというより「印象強かった作品」かな。
●桐野夏生 ダーク
●川上弘美 センセイの鞄
●恩田陸  光の帝国
●北野勇作 かめくん
●石田衣良 少年係数機
●京極夏彦 ルーガルー
●山本文緒  恋愛中毒 
●ポール・オースター ミスターバーティゴー
●ベルンハルト・シュリンク 朗読者
●カポーティ 誕生日の子どもたち

なんか無茶苦茶(笑)
新作はあんまりありませんねー。

でもとにかくインパクトの点では「ダーク」はダントツ。
同じく「恋愛中毒」もびっくりしましたわ。あはは。

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