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November 2002

2002.11.29

静かな黄昏の国 篠田節子 角川書店

読書中

短編集だ。
とっても篠田節子らしい作品ばかり集められている。

生態系をいじくった人間たちへのしっぺ返しとか、
芸術に捕らわれて狂気へ突き進む人間とか。

どれもらしいらしい!
篠田さんの長編は最後が結構アッケなかったりするところが
あるのだけど、短編の物足りないくらいの終わり方が
余韻を残して、却ってあとあとまでゾクゾクさせるのだ。

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パレード 川上弘美 平凡社

「センセイの鞄」ツキコさんとセンセイのある日のエピソード。
センセイがツキコさんにお話しをしてくださいと頼む。
ツキコさんが語りだしたのは小学校のころの思い出。

とはいえ川上さんのお話しなので、その思い出は不思議だ。
何しろツキコちゃんには天狗が憑いているのだ。

ツキコちゃんのクラスにいじめられている女の子がいる。
一緒にいじめるわけではないがやめさせるわけでもない。
そうすると憑いている天狗が具合が悪くなってくる。
天狗はツキコちゃんの知らないツキコちゃんのもうひとつの
心なのだろう。
小さいときに感じたちょっとした罪悪感や、悲しい気持ち、
嬉しい気持ちって、忘れられないことがある。
多分初めて体験したからなんだろうな。

で、それ以外のセンセイとツキコさんの会話は
やはり楽しく。挿絵もいいねー。

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2002.11.28

ウエディング・ドレス 黒田研二 講談社

沢田さんと一字違いの作家がいると知り、読んでみました。(笑)
著者近影で見るとなかなか柔和な感じの方です。

内容は、まあ。

あんまりこういうミステリって読まないけど、
少なくとも「百人一首」よりは300倍くらい面白かった。
話者が交互に変わる意味もあると思う。
(しつこいか?)

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2002.11.26

狩りの風よ吹け スティーブ・ハミルトン 早川文庫

おもしろーい。

後半、意外な展開に驚き驚き。
読んでるこっちもアレックスと一緒に驚き驚きの連続。

今回はいつものいじわる署長が登場しなかったけど、
別の署長がいい味だしてます。
相棒リーアンも、登場シーンは少ないけど、
だんだんと無くてはならない人物になっていきますね。

このシリーズ、今のところ一番好きだな。
アレックスおじさんは、元野球選手、元警官、胸に銃弾といろんなトラウマを抱えているけど、なんだか、生真面目でいい奴で、
好きだなー。

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2002.11.25

狩りの風よ吹け スティーブ・ハミルトン 早川文庫

イヤイヤ私立探偵 アレックス・マックナイトの第3弾。
相変わらず寒そうなミシガンの春であります。
ますます面白くなってきますね。

30年ぶりに会った旧友ランディに、若いころ恋した女性を探してくれと頼まれるアレックス。
不承不承に引き受けて二人で探すが、結局空振り。
あきらめて帰宅したアレックスの元に、
ランディが撃たれて重態との驚くべき知らせが・・。


とまあ、興味深い展開です。

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2002.11.22

空のオルゴール 中島らも 新潮社

無言・・・。


そういえば「虹のオルゴール」橋本治という作品があったな。

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2002.11.21

ダーク 桐野夏生 講談社

ミロシリーズがこんな風に着地するなんて、
想像もしなかったなー。
後半のすごい展開にひきこまれて結局昨晩で、
全部読んでしまった。

「玉蘭」「ローズガーデン」がなんだかわけわからず、
中途半端で面白くなかったけど、
「ダーク」のための習作だったのか、って感じです。

見事「ダーク」で結実しました。
すごいです。
いいです。
圧巻です。


ミロが裏切る、トモさんも裏切る。
兄弟が、親友が、親子が互いに互いを裏切り続ける・・・。

登場人物の裏切りは、作者の読者への裏切りだ。
ミロはこんな女だった、善三はこんな男だった。
読者のそんな思いを込みを桐野夏生はどんどん裏切っていく。

登場人物自身さえ、私は、俺はこんな人間だったのかと
発見して驚いている。
きっと、桐野夏生自身さえ、驚いているのかもしれないな。

人間ってものすごい多面体だと今さらながら思うのでした。

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2002.11.20

ダーク 桐野夏生 講談社

読書中(半分くらい)

ミロシリーズ。完結編だそうで。
ブ厚い・・。 2段組にしてもよかったのでは・・・。
これをいれるためにしばらく無茶苦茶でかいバッグを持ち歩かねば。

帯に120万読者待望のって、書いてあるのだけど、そんなに売れていたのか?ミロシリーズ。

想像もしなかった展開。善三父さんにトモさん・・・。
懐かしい人が出てくるけど、なんだか違う人だよー。
7年の歳月って、こんなに人を変えてしまうのね・・・。
でももっと変わったのはミロだ。

そして新しく登場した人々は、なんだかうっとうしいくらい
ギラギラしている。

肉親たちをきっぱりと断って、
ひとり屹立するミロ。うーん。

ミロは「OUT」の雅子のその後の姿のような気もするなあ。



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2002.11.19

ロミオとロミオは永遠に 恩田陸 早川SFJコレクション

読了

まあ、20世紀パノラマって感じですか。
結末はある程度予想はついたけど。

アキラくん、シゲルくん。頑張って素敵な
20世紀を創ってね。


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2002.11.18

ロミオとロミオは永遠に 恩田陸 早川SFJコレクション

読書中

うーん。
なんか「バトルロワイヤル」みたいな設定なんだけど。
そこに恩田さんらしいペダンティックなエッセンスを
振りまいている感じか。

章のタイトルが全て映画「エデンの東」~「ショウほど素敵な
商売はない」~「暗くなるまで待って」・・・という具合に
28章+エピローグ・プロローグで全30作品。
どれも彼女が好きな映画なんだろうね。

さて、アキラとシゲルは無事脱走できるんでしょうか!?

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2002.11.15

百人一首 一千年の冥宮 湯川薫 新潮社

読了・・・・・・・。

なんじゃあ!こりゃ?
全身怒りに震え、本を投げつけそうになったぞ~!!
(電車の中、しかも図書館の本なのでこらえたが)

これは今年読んだ中で一番のワースト本です。
信じられません。こんな本が出版されたなんて・・。
「本格ミステリ」って・・・?

・章ごとに語り手が変わっているのだけど、何の意味もない。
・百人一首、平家落人あるいは銃に対する蘊蓄が語られてる
 けど、だから何!?
・ダイイングメッセージ「凶」の意味にわらっちゃう。
・わけのわかんない探偵団が出てくる意味は?
・きわめつけ。犯人が・・・・(笑)


この人、フと思ったけど、どっかで京極を意識しているのかしら?
やたらの蘊蓄や、妙な探偵団も「薔薇十字社」の影響?
(うぷぷ)
でも、完全に失敗だし、破綻してるって・・。
京極さんのは芸です。幻惑され翻弄され騙されたような気がする
と思いながらも、納得させられちゃう。
湯川さん。小説書くのお辞めになった方がよいと思います・・・。


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2002.11.14

百人一首 一千年の冥宮 湯川薫 新潮社

うーん。なんなんでしょう、これは。
知ったかぶり?カッコつけ? パロディ?

導入は人生に絶望したピアニストが死ぬためにニューヨークにやってくる。いちいち、NY案内をしてくださる。
ところが唐突にある女性と知りあい、同棲をはじめる。
この女性がタロット占いをやり、ヘビを飼っているなどあやしい。日本人とアメリカ人のハーフだ。

彼女の周りには怪しい人物だらけ。

ある日彼女に百人一首の脅迫状がとどき出し、ピアニストの友人と知人の日本人が密室で死ぬ。彼女は行方不明。

ここでいきなり転調して、妙な「探偵団」が出てくる。
8年後、日本に帰ったピアニストが、彼らに事件の真相を解明してくれるように頼む。

ああああああああああ。
なんだか、考えるだけでバカバカしくないでしょうか?

一体なんなののよ~。

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2002.11.12

誘拐の果実 真保裕一

読了

医療ミス、政財界の癒着、株価操作と色んな要素をてんこ盛り。
誘拐犯の真の目的は?

えーと、何だか無理やり感動編に仕立て上げた感じで
どうも私は納得いきません。

前にも書いたけど、どうも真保さん、
無理やり長くしてるみたいで、どーも
最近は、ついていけませぬー。

こう、もっとスカッと「奪取」のような爽やかなのをひとつ。

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2002.11.08

誘拐の果実 真保裕一 集英社

大病院の院長の17歳の娘が誘拐された。身代金は入院患者の命。
娘と患者の命を引換にできるのか?悩んだ院長がとった解決策は?一方19歳の青年が誘拐され、身代金は7000万円の株券。
この事件はどうつながって、どんな果実を結ぶのか??


って、半分くらい読んだところなんだけど。
んー。なんだか全体にタルいです。
説明が多くて、真保裕一のクドさがかなり疲れる。

基本的には好きなんだけど、この作家。
ときどき取材しすぎたところが鼻につく時があるのです。

まあ、後半の展開に期待。

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2002.11.06

ザリガニマン 北野勇作 徳間デュアル文庫

「かめくん」の姉妹編だそうで。
かめくんが闘っていたのはこのザリガニマンだったようだ。

あくまでも淡々と普通の日常生活が描かれているところは
変わらず。
不思議な感触の小説です。

でも「かめくん」の方がおもしろいかな。

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2002.11.01

迅雷 黒川博行 双葉社

読了

面白かったわー。
どうも黒川博行と奥田英朗とが間違えてしまいそうになるのだけど。(大阪が舞台のことが多いからだと思うが)
黒川さんの方がエンタメ度は高いのかな。

ちょっと前に読んだ短編集の方はもうひとつだった。この人は長編の方が面白いかも。

やくざの親分を誘拐しちゃう3人組。みんなちょっとワルだけど素人さん。上手く行くはずが少しずつアテがはずれて・・の4日間の物語。あらあら、こんなところまで・・という展開です。

最後がちょっといい感じだわ。

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