« センセイの鞄 川上弘美 平凡社 | Main | 溺れる 川上弘美 文芸春秋 »

2002.03.14

メロス・レヴェル 黒武洋

何か無茶苦茶つまらない。
「そして、 粛清の扉を」がまあまあ面白くて、でも色んな意味で判断保留というか、手放しで勧められないところはあったけど。
これはダメなんじゃないか?
設定もいいかげん馬鹿らしくて。
近未来国家が主催する「メロスレヴェル」という競技が開催される。出場するのは10組のペア。「走れメロス」のようにメロスとセリヌンティウス役を選び、優勝すると莫大な賞金と一生涯にわたる高度な保障が約束されているが、脱落すると、セリヌンティウス役が身体を犠牲にしなくてはならない。最終的には生命まで。そしてこれは全世界にTVで放映される。参加した尚久、文典親子は・・とこんな話。

「強い絆」を確認しするため、ってのが、開催目的なんだって。
なんか国家主導のスナッフムービーみたいじゃないか。
これって、参加者の申込制なんだけど、こんなものに自主的に出場する奴がいるのか?

競技の内容も相当ばかげているよ。
とにかく人物がそれぞれぜーんぜん描けていないので、誰にも感情移入できない。単なる馬鹿としか思えない。
ほんとにつっんまらん。

そして、何と、最後は「バトルロワイヤル」状態で、無人島に2組が連れてこられて「走れメロス」そのままに、互いに端って優勝を争うとくりゃ、それまでのほとんど無意味な問題により選別されていたのは何だったんだって!? 
始めから、これにしとけよ~。

「バトルロワイヤル」は無理やりつれてこられて中学生が殺し合いという話だったけど、それぞれの登場人物がすごく丁寧に描かれているし、殺し合いの場面は壮絶でも、最終的にそれこそ「人間賛歌・心の絆」を感じさせるものだったのと対照的。

ひどい小説といってもいい。

|

« センセイの鞄 川上弘美 平凡社 | Main | 溺れる 川上弘美 文芸春秋 »